朝日新聞デジタル:(もんじゅ君のエネルギーさんぽ)九電社長さんが天下り – カルチャー
朝日新聞より
2013年6月21日9時41分
(もんじゅ君のエネルギーさんぽ)九電社長さんが天下り
佐賀県ではじつは世界的な熱気球大会が毎年ひらかれているの。お空がバルーンでカラフルに彩られますだよ
■ふくいち君で地下水の汚染
こんにちは。もんじゅ君です。
今週は、ふくいち君(福島第一原発)の地下水から、基準値をこえた放射性ストロンチウム、トリチウムがみつかってしまったの。
東電さんによると「海の放射性物質の濃度には、とくに変化はない」。だけど、海にちかい観測用の井戸からみつかったということは、その水が海に漏れだしていてもおかしくないんじゃないかな……って心配になるよね。
■辞任した九電の社長さんが天下り
さて今週は、九州電力さんのニュース。
九電さんでは「やらせメール事件」があったから、去年の3月に社長さんが辞任しているの。あのときは会社ぐるみの不祥事だということでずいぶんと騒ぎになって、責任をとってやめたはずなのに、その元・社長さんがこのたび子会社の会長職に就くことが決まったんだって。
しかも、これまで子会社にはなかったポストだから、あたらしく元社長さんのためにつくってあげるみたいなんだよ。ふしぎだね。
■やらせメール事件って?
すこしまえの話だから「あれっ、やらせメール事件ってなんだっけ?」っていう人もいるかもしれないね。おさらいしておこうか。
2011年6月、ふくいち君の事故が起きてまだまもないころ、玄海原発くんの再稼働について地元の佐賀県内でテレビ説明会がひらかれたんだ。
それはおもてむきには「専門家のほかにも、いろんな立場のふつうの人たちも参加している。みんなからの意見もメールやファクスでうけつける」という、バランスのとれた会のはずだったの。
■「再稼働に賛成」と送るように指示
だけどじっさいには、九州電力さんが事前に関係会社の社員たちにむけて「再稼働に賛成だっていう意見をもりあげよう。みんな、番組にメールしてね」とやらせを指示していたことがわかったんだ。
電力会社が県民向けの説明会でズルをしていた……、それだけでも大問題なのに、やらせメールがバレて第三者委員会の調査が入ったあとでも、九州電力さんは「その調査結果はちがうんだ」と主張するなど、どうもあまり反省していなさそうだったの。
■辞任後も高額の報酬を得ていた社長さん
それでも問題はくすぶりつづけて、2012年3月に社長さんは辞任したのね。だけどそのあとも九電さんの顧問として報酬(相談役の2人とあわせて8900万円という金額)をもらっていたし、これからは子会社の会長さんに就任するんだって。
そういうのをきくと、ほんとに反省しているのかな?ってなんだか心が寒々しちゃう。
原発って、賛成・反対にかかわらず、まわりに暮らす人たちにつよい不安を与えるもの。そんな重要なものについての説明会でズルをしたら、そのほかの物事の決め方や情報の出し方まですべて疑われかねないでしょ。だから電力会社さんには、よのなかから自分たちがどんなふうに思われているのか、きちんとおのれをみつめてほしいなって思いますだよ。