災害弱者、個別に避難計画 支援指針改訂へ兵庫県

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神戸新聞より
2013/6/2 06:17
災害弱者、個別に避難計画 支援指針改訂へ兵庫県

 兵庫県は、南海トラフ巨大地震などの災害発生時に一人では避難が困難な高齢者や障害者らが素早く避難できるよう、各市町に「個別避難計画」の策定を求める方針を固めた。今月中に県の「災害時要援護者支援指針」を改訂し、各市町に協力を呼び掛ける。一人一人に合った避難計画の策定を都道府県が先導するのは全国的にも珍しく、県防災計画課は「一人でも多くの命を救う仕組みを地域と協力して作り上げたい」としている。(木村信行)

 政府は4月、高齢者や障害者ら「災害弱者」の避難誘導を促すため、市町村に名簿作成や消防、警察への情報提供を義務付ける災害対策基本法改正案を閣議決定した。

 兵庫県の指針改訂は、同法案の成立を前提に検討を進めてきた。現在は各市町の福祉課や住民課が個別に管理している(1)名前、住所、性別、年齢(2)同居家族の有無(3)利用している医療、福祉サービス(4)障害の有無‐などの個人情報を、防災部局などと共有するよう要請。一人では避難が困難な人を「避難行動要支援者」として抽出し、名簿作成を市町に求める。

 さらに、近くに家族がいないなど、避難時に助けを得られない可能性がある人について、自主防災組織など地域団体や住民と協議し、近くの高台や津波避難ビル、避難所まで誰が付き添うかなどを盛り込む「個別避難計画」を策定するよう呼び掛ける。

 同計画は地震のほか、水害や台風も想定し、策定には本人同意が必要とする。法的拘束力はないが、県防災計画課は「避難をあきらめる災害弱者をなくしたい」としている。

 同様の計画策定は、南海トラフ巨大地震が起きた場合、内閣府の想定で国内最大の34メートルの津波が来る‐とされた高知県黒潮町などが取り組んでいる。

社会で支える体制必要 室崎益輝・神戸大名誉教授(防災計画学)の話 一人一人の命を守る取り組みは災害時に最も大切な視点だ。東日本大震災では各自の判断で逃げる「津波てんでんこ」という言葉がよく言われたが、自力で避難できない人は必ずいる。個人の事情に合った避難計画を話し合う中で、コミュニティーの力が向上するのが望ましい。それでも支援の網からこぼれる人には、行政やNPOなど社会で支える仕組みが必要になるだろう。

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