ジャーマンアイリスの思い出

アヤメ科 アヤメ属

2007.7.17 逃げ出した
 小学生の3,4年生の頃だったか、近所に限りなく畑に近い庭、今で言う家庭菜園が庭になっている家があって、母が懇意にしていたもので、その一角を借りて野菜を作ったりしていて、偶に手伝わされていた。その借りていた隣に青紫と白のこの花が1輪咲いていた。

 畑を耕すのは、まず適度な深さまで土を掘り起こし、土の塊を砕いて通気を良くし、肥料を混ぜながら畝(うね)を作っていく。その畝に種を蒔いたり苗を植えて、最後に灌水して作業は終わり。

 土を掘り起こす時に使うのが3本鍬。これを振りかざして畑の土に力一杯振り下ろし、土に突き刺さった鍬の刃を返して土を掘り起こす。これが当時の自分にとっては簡単ではなくて、サクッと上手く刺さって、ボコッと掘り起こせた時は、野球ならホームラン、ボーリングならストライク、ゴルフ練習場のドライバーショットくらいの達成感と爽快感があった。だから手伝いはスポーツ感覚で好きだった。後は種蒔きか苗を植える作業(これがなければ唯の泥んこ遊びになってしまう)しか興味がなかったんで、次の作業は母まかせ。土を砕いて石があれば除けて畝を作るのは地味な上に均等な幅と高さに揃えるのは小学生には無理。

 土を掘り起こすといっても家庭菜園なんでものの10分くらいで終わってしまう。後の作業まで時間を持て余して、3本鍬をゴルフの全英オープンのラフショットのごとく振り回して雑草を刈って遊んでいた。

 気付くとさっきまでそこに咲いていた青紫と白の花が無くなっている。ミスショットだ。

 その時まで見た事なかった花だったし自分の家にはダッチアイリスは植えていたけど、それと比べると、こちらの方がはるかにゴージャスな感じで、よく床の間に置いてある何たら焼きとかの高そうな壺を壊したようなとんでもない事をしてしまった気がして、その場から逃げ出した。

 行く当ても無いし夕暮れになってきたので、こっ酷く怒られるのを覚悟して家に帰ると、怒られるどころか花の話題さえ出てこない。自首する勇気もなかったから何事も無かったままにして今日に至る。今考えるとダッチアイリスやチューリップなどの球根と違って地下茎の花は1株で幾つも花が咲くので、そんなに大事ではなかったのかもしれないけど、この花を見る度に当時を思い出す。

2008.1.20 訊かぬは一生の恥
 昔していた仕事で神戸市の西の方の住宅で庭中にジャーマンアイリスを育てているお宅があった。株毎にカタカナだったか横文字だったか憶えてないが品種名が書かれたネームプレートが突き刺してあって、20品種以上はあった。その時に初めて「ジャーマンアイリスですよ」と名前を教えてもらった。

 ただ、植わってる土がカラカラに乾いているし地下茎が土がかかってなくて露出していたので、ちゃんと世話してないと思っていた。ジャーマンアイリスはそうして育てると知らず長い間誤解していた。勝手に誤解していてすみませんでした。その時にちゃんと訊いておけばよかった。

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