リニア中央新幹線 鹿島などのJV、生コンを川沿いで洗浄 中川のリニア残土利用の県道工事で 長野県「不法投棄に当たる可能性も」

【独自】鹿島などのJV、生コンを川沿いで洗浄 中川のリニア残土利用の県道工事で 長野県「不法投棄に当たる可能性も」|信濃毎日新聞デジタルより

【独自】鹿島などのJV、生コンを川沿いで洗浄 中川のリニア残土利用の県道工事で 長野県「不法投棄に当たる可能性も」
2022/05/14 06:05

生コンクリートが混じった水を地面に流していたことが分かった小渋川沿いの現場=12日午後4時45分、中川村

 リニア中央新幹線工事などの残土を使って上伊那郡中川村の「半の沢」で進められている県道松川インター大鹿線改良工事で、JR東海から発注を受けた大手ゼネコン鹿島(東京)などの共同企業体(JV)が、コンクリートポンプ車を天竜川支流の小渋川沿いの現場で洗い、生コンクリートが混じった水をそのまま地面に流していたことが関係者への取材で13日までに分かった。県上伊那地域振興局は「不法投棄に当たる可能性もある」(環境・廃棄物対策課)とし、聞き取りや現地確認を行う方針だ。

 工事は県事業の一部で、県とJR東海の協定に基づき、同社が実施している。小渋川に注ぐ半の沢が流れる谷をリニア工事などの残土で埋め、小渋川沿いを走る県道を拡幅する内容。昨年秋に着工し、沢水から土砂を取り除く沈砂池を造る工事が進んでいる。

 生コンが混じった水を流していたことについては、今年4月下旬になって地元住民から県などに通報があった。その後、JR東海の担当者らが調査し、JV側が認めた。

 鹿島によると、昨年12月上旬から4月25日にかけて小渋川から40メートル以上離れた場所に洗い場を設け、週1台程度、ポンプ車を洗っていた。洗い水を土に浸透させ、後日、表土をすき取って産業廃棄物として処分する計画で「不法投棄には当たらない」と主張している。JR東海の指導を受け、現在は洗い水をタンクにためて現場で処理している。

 一方、県などに通報した住民は4月中下旬の3日間、1日30分から1時間程度、現場を監視。JV側がおよそ10分に1回の間隔で、ミキサー車とポンプ車にこびり付いた生コンを洗い、地面に流しているのを確認したとしている。

 小渋川を管理する国土交通省天竜川ダム統合管理事務所(中川村)は、生コンはアルカリ性が強く「洗い水が河川に流入すると水質事故につながる可能性もある」。県は「一般に生コンの洗い水は現場で回収するか、水と生コンに分離して処理する」(リニア整備推進局)と指摘。河川への影響を確認するため、JR東海に調査を求めたとしている。


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