数字のマジックによる詭弁の例「世帯収入にかかわらず多様な体験が成長に好影響 文科省調査」

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『家庭環境の要因も影響していないかを調べるため、世帯収入の水準別に分けて体験と意識を分析した。世帯収入が高いほど社会体験や文化的体験の機会が多い傾向はある』
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世帯収入にかかわらず多様な体験が成長に好影響 文科省調査 | 教育新聞 2021年9月8日 より

世帯収入にかかわらず多様な体験が成長に好影響 文科省調査
2021年9月8日
教育格差週間ヘッドライン
 2001年に出生した2万人以上の子供を対象に文科省が行った追跡調査のデータ分析から、小学生の頃に自然体験や社会体験など体験活動の機会に恵まれた子供は、家庭の経済状況に左右されることなく、高校生の頃の自尊感情(自分に対して肯定的な感情)などが高くなる傾向が見られることが9月8日、分かった。こうした大規模な調査で「体験」と効果の関連性を検証した調査研究は同省初といい、分析に当たった専門家は「家庭の経済状況にかかわらず、子供の成長には多様な体験が必要であることが示された。家庭や地域、学校が協力して、子供を支える環境づくりを進めていくことが大切だ」と指摘している。

 今回の調査研究は、2001年に出生した子供とその保護者を18年間にわたり追跡した「21世紀出生児縦断調査」のデータを基に、体験活動が成長に及ぼす影響を分析。自然体験(キャンプや登山など)、社会体験(農業体験、ボランティアなど)、文化的体験(動植物園見学、音楽・演劇鑑賞など)に分けて調べたところ、自然体験が多い子供は自尊感情や外向性(自分を活発だと思う)が、社会体験が多い子供は向学的な意識(勉強・授業が楽しい)が、文化的体験が多い子供は向学的な意識、自尊感情、外向性、精神的回復力(新奇性追求、感情調整、肯定的な未来志向)、心の健康の全てが高くなるという結果が得られた。

 また、「遊び相手」による成長への影響を分析したところ、異年齢の子供や家族以外の大人など多様な相手と遊ぶ機会が多いほど、自尊感情や外向性などに良い影響が見られることも分かった。

 さらに家庭環境の要因も影響していないかを調べるため、世帯収入の水準別に分けて体験と意識を分析した。世帯収入が高いほど社会体験や文化的体験の機会が多い傾向はあるものの、例えば小学生のときに自然体験の機会に恵まれていた子供は、収入の水準が高い低いに関わらず、同じ傾向でその後の自尊感情に良い影響が見られることが示された(グラフ参照)。

 分析チームでは調査分析と並行して、実際に子供の体験活動の支援に取り組んでいるNPOなど8団体へのヒアリングを実施し、体験活動を推進する上で指導方法など重要な点について聞き取った。その中では、「大人が一緒に参加して見守ったり、褒めたりすることが重要」「自分でできたという体験を幼児期にすることが大切」などといった指摘があったという。

 こうした結果について、調査分析に当たった國學院大学人間開発学部の青木康太朗准教授は「全体の調査から、子供の健やかな成長には何か一つの体験ではなく、多様な体験をすることが必要であることが分かった。全ての子供たちに対し、置かれている環境に左右されず、周りの大人が意図的・計画的に体験の場や機会を設けることが大切だ。家庭では手伝いや読書習慣が身に付くように教え、地域では放課後に大人と交流する機会をつくるなど、地域と家庭、学校が協力して、子供の成長を支える環境づくりを進めていくことが求められる」と述べた。


令和2年度青少年の体験活動に関する調査研究結果報告
~21世紀出生児縦断調査を活用した体験活動の効果等分析結果について~:文部科学省
より


4.全体を通じたまとめ、考察

 本調査研究で実施した調査・分析の結果から、様々な観点から、あらためて、青少年にとって「体験」が重要であることが示された。
 文献調査は先行研究の内容について参照・情報整理したものであり、先行研究によっても様々な形で「体験活動の影響・効果」について調査・分析がなされていることを示した。その上で、ヒアリング調査では、それぞれの体験活動の実施主体が様々な形でその影響・効果を認識していることが把握され、語られるエピソード等から、活動内容と影響・効果との結び付きについて、よりリアリティのある形で把握することができた。
 文献調査・ヒアリング調査の結果を受けて実施した21世紀出生児縦断調査のデータ分析では、家庭・保護者による影響とは別に、学童期の経験が、その後一定期間を経た青年期における意識等と関連性を有することが明らかになった。
 また、今回着目した「自然体験」、「社会体験」、「文化的体験」、「遊び」、「読書」、「お手伝い」が、それぞれ異なる形でその後の意識等と結びついていることが明らかになり、子供たちに多様な形で体験の場や機会を作っていくことが重要であるということも確認された。
 本調査研究を通じて、「体験」が充実している子供については、その背景として、父母の収入や学歴が高い傾向にあることも把握された。一般的に、体験の場や機会が提供される度合いには、これら家庭の要因によって格差があるものと考えられる。ただし、父母の収入が相対的に低い家庭の子供であっても、体験の機会が多くあった子供については、その後の意識等の水準が高い傾向にあることも本調査研究の分析により明らかになっている。また、一部の分析においては、体験がその後の意識等の水準に影響する度合いが、収入の水準が相対的に低い家庭の子供に関して特に高いのではないかと考えられるような結果も得られた。
 今後は、子供が置かれている家庭環境等によらず、全ての子供が十分な体験を経験できるよう、環境等の差異も踏まえた上で、子供の生活環境の中に体験の機会を創出・提供していくということが、青少年の成長において重要であることが示されたと考えられる。家庭環境等による「体験格差」があるからこそ、機会に恵まれない子供たちに体験の機会を提供することが重要であり、また、効果的であるのではないかとも考えられる。
 今後機会の充実を図っていくということに関し、ヒアリング調査では、地域との連携により活動を推進すること、学校教育の中で体験の機会を提供していくこと、より身近な場面でのかかわり等も意識することなどが重要であることも指摘された。また、「どのように体験させればよいか」や「体験では、どんなかかわりがあるか」といったことに関し、「多様性を経験する」、「子供が主体である」、「学習と結び付ける」といったキーワードにより、「質的な側面」で重要と考えられることも明らかになった。
 これら本調査研究で整理された情報や得られた分析結果を基に、更なる取組の充実等が期待される。


「学歴が高い傾向」ことは保護者(父母等)の収入に相関関係がある。


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