「インフルエンサー」?とは愚かな見出し。
土塔こそ仏塔の原型である事も知らんのか?
今ならインフルエンサー?行基の土塔は影響力の象徴か:朝日新聞デジタル より
今ならインフルエンサー?行基の土塔は影響力の象徴か
文・井石栄司
2021/6/5 17:00
「古墳のまち」の住宅街にあるピラミッド形の塔。コーヒーショップチェーンもコラボしたくなる名前を持つ、その塔の正体とは。
堺市の住宅街を歩いていて目に飛び込んできたのは階段状の四角すい。基盤は一辺約53メートル、高さ約9メートル。側面には褐色の瓦がふかれている。青空を背にたたずむ威容は、メキシコに残るマヤ文明のピラミッドのようだ。
塔を造ったのは学校で習う奈良時代の僧・行基。実は行基、現在の堺市の出身という。
「堺は千利休や与謝野晶子が知られていますが、行基こそ堺が生んだスーパースターです」
そう教えてくれたのは堺市文化財課の近藤康司主査。辻説法をすれば黒山の人だかりができたという行基は、今風に言えばインフルエンサー。影響力を使って民衆のパワーを結集して橋を架けたり、寺やため池を造ったり、果ては東大寺の大仏造りにも関わった。
記事後半では、地元で人気のグルメスポット紹介や会員登録すると応募できるプレゼントもあります。
行基が郷里に造った塔が「土塔(どとう)」。五重塔と同じように仏塔だが、近藤さんは木造ではない理由をこう推測する。「土の塔ならひたすら土を運べばいい。誰でも参加できたので行基と彼を支えた集団のシンボル的なタワーだったのでは」。実際、土塔造りに参加したとおぼしき人の名前が書かれた瓦が大量に出土している。
ただ、土の塔は風雨に弱い。建立は727年。中世まで補修していたとみられるが、いつしか形は崩れ「小山」になり、一部が消えた。このままではまずいと考えた大阪府が買い上げ、1953年に国史跡に。堺市が調査し、2009年に瓦ぶきの姿に復元した。
今年3月には「土塔でドトール」なる語呂合わせのイベントが開かれ、期間限定で、コーヒーショップチェーンが出店し、多くの人でにぎわった。
1300年の時を経て、住民の憩いの場となった土塔周辺では、梅雨の晴れ間を楽しむかのようにチョウが舞い、鳥たちが羽を休めていた。(いいね!探訪記)(文・井石栄司 写真・西岡臣)
行く
泉北高速鉄道「深井駅」から南海バス「堺東駅前」行きに乗車し、「深井東町」で下車して徒歩1、2分。または「深井駅」から東に約1キロ歩く。南海高野線「堺東駅」からは、南海バス「あみだ池」行きに乗車し、「深井東町」で下車する。
味わう
ミルクレットのソフトクリーム
土塔に近い「ミルクレット土塔南店」。地元の「泉南乳業」が工場直送の新鮮な牛乳を使った直売店としてオープンした。
一番人気のミルクのソフトクリーム(コーンタイプ・税込み240円)は、コーンの先までクリームがぎっしり詰まっている。濃厚な味わいだが甘すぎないので、食後にも食べられる。地元の「つぼ市製茶本舗」とコラボした抹茶味(同270円)も人気という。
営業時間は午前10時~午後7時で、定休日は年末年始。堺市中区土塔町3343。電話072・235・1039
プレゼント
堺らしいお土産セット
「あたり前田のクラッカー」で知られる堺の企業・前田製菓のクラッカー、古墳こんにゃく、オリジナル土塔瓦せんべいなどの「特産品セット」(税込み2千円)を10人に。
https://que.digital.asahi.com/question/11004734別ウインドウで開きます
ピラミッドのような形をした土塔。周辺には住宅が立ち並ぶ=堺市中区
土塔の表面にふかれた瓦=2021年5月23日午後、堺市中区、西岡臣撮影
土塔の前面にふかれた瓦=2021年5月23日午後、堺市中区、西岡臣撮影
瓦が復元されていない土塔の表面は草で覆われていた=2021年5月23日午後、堺市中区、西岡臣撮影