災害弱者の避難「個別計画」、策定進まず努力義務化へ

災害弱者の避難「個別計画」、策定進まず努力義務化へ:朝日新聞デジタル より

災害弱者の避難「個別計画」、策定進まず努力義務化へ
山岸玲
2020/11/29 20:21
計画通りに実行できるか確認するため、避難訓練が行われた=2017年12月10日午前9時1分、大分県別府市提供
 災害に備え、高齢者や障害者らの避難方法などを事前に決めておく「個別計画」について、国は、策定を市区町村の努力義務として災害対策基本法に定める方針を固めた。全国で策定が進んでおらず、法的に位置づけることで強く促す考えだ。来年の通常国会での法改正をめざす。
災害弱者、誰が支援? プランを作っても埋められない欄
 個別計画は、避難に支援が必要な人ごとに、支援者や避難場所、自宅からの経路、避難時の配慮事項などを記載する。1人での避難が困難な高齢者や障害者、心身に重い病気を抱えるなどの災害弱者への適切な避難支援に有効とされる。
 要支援者の名簿に掲載されている人は昨年6月時点で全国で約784万人にのぼるため、優先順位を決めて策定を進めてもらう方針。優先度は心身の状況や独居かどうか、住んでいる地域の災害リスクなどから判断する。優先度が低い場合は支援が必要な人自身や家族に個別計画を作ってもらい、市区町村が確認する形も想定している。福祉施設の入所者には個別計画策定は求めない。
 個別計画策定では本人や行政のほか、介護事業者らを含む地域社会との連携が必要になる。国はどうすれば介護事業者の協力を得られるかや、策定に対する市区町村への財政支援などについても検討している。また、モデル地区での先進事例づくりに取り組み、そこでの課題を踏まえて全国的な拡大を図る考えだ。
 東日本大震災では65歳以上の高齢者が死者の約6割を占め、障害者の死亡率は被災者全体の約2倍に上った。これを受けて国は2013年に災害対策基本法を改正し、要支援者の名簿作成を市区町村に義務づけた。内閣府は指針で、名簿掲載者全員の個別計画を策定するよう求めているが、昨年6月時点で全員分を策定した市区町村は12・1%にとどまっていた。
 このため内閣府は、有識者による作業部会を設置して議論を進めてきた。(山岸玲)


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