火力発電「抜本的に転換」 温室ガスゼロ目標、首相表明 狙いは原発増設

火力発電「抜本的に転換」 温室ガスゼロ目標、首相表明:朝日新聞デジタル より

火力発電「抜本的に転換」 温室ガスゼロ目標、首相表明
菊地直己
2020/10/26 20:57
衆院本会議に臨む菅義偉首相(右)=2020年10月26日午後0時1分、藤原伸雄撮影
 第203回臨時国会が26日召集され、菅義偉首相は就任後初めての所信表明演説を行った。温室効果ガスの排出量を2050年までに実質ゼロにする目標を新たに打ち出した。「行政の縦割りの打破」など改革姿勢を強調し、9月の自民党総裁選で公約したデジタル庁の創設や不妊治療への支援、携帯電話料金引き下げの実現に意欲を示した。
 衆参の本会議での演説で「2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする。ここに宣言する」とした。積極的な温暖化対策が「産業構造や経済社会の変革をもたらす」とも指摘し、成長の制約という発想からの転換を求めた。
 温暖化対策の国際ルール「パリ協定」の目標達成には、50年までに世界全体の温室効果ガス排出を、森林吸収分などを差し引いた実質でゼロにする必要がある。約120カ国が「50年実質ゼロ」を掲げるなか、日本政府の目標は「50年までに80%削減」にとどまっていた。
 新たな目標達成に向け、次世代型太陽電池や二酸化炭素を再利用する「カーボンリサイクル」などの研究開発の促進や、脱炭素社会に向けた国と地方の検討の場の創設を打ち出した。温室効果ガスを多量に排出する石炭火力発電についても「政策を抜本的に転換する」と語った。
 首相は総裁選で掲げた肝いり政策も列挙。携帯電話料金引き下げを例に「できるものからすぐに着手し、結果を出し、成果を実感いただきたい」と訴えた。不妊治療支援については「所得制限を撤廃し、保険適用を早急に実現する」。デジタル庁は「来年の始動に向け、早急に準備を進める」と述べた。
 マイナンバーカードを「2年半のうちにほぼ全国民に行き渡る」ようにすると掲げ、行政手続きでの押印の原則廃止にも触れた。
 「新型コロナウイルス対策と経済の両立」にもこだわりをみせた。検査能力や「来年前半までに全ての国民に提供できる数量」のワクチンの確保を表明。一方で、アベノミクスの継承を明言し、持続化給付金や消費喚起策「Go To キャンペーン」を挙げて、「躊躇(ちゅうちょ)なく、必要な対策を講じていく」との方針を示した。
 「約束した改革」のメニューを並べたが、政策実現のために必要となる財源の確保策や国民負担への具体的な言及はなかった。日本学術会議の会員候補6人を任命しなかった問題も取り上げなかった。
 臨時国会は12月5日までの41日間。今月28日から所信表明に対する与野党の代表質問が行われる。(菊地直己)


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