障害者差別事例 車いす介助、宮崎・川南駅は「ダメ」 JR九州指導、なぜ?

車いす介助、宮崎・川南駅は「ダメ」 JR指導、なぜ?:朝日新聞デジタル より

車いす介助、宮崎・川南駅は「ダメ」 JR指導、なぜ?
矢鳴秀樹
2020/6/27 13:10
JR川南駅。車いすの乗客が来ると改札業務の合間に車いすを押してスロープをわたり列車に乗せる介助をしていた=2020年6月、宮崎県川南町平田
 川南町観光協会(宮崎県)が駅の改札業務をしているJR川南駅で、車いす利用者が列車に乗る際の介助を観光協会職員がしていたとして、JR九州が介助を行わないよう指導した。車いす利用者は「これまで通り行ってほしい」と要望。JRも検討を始めた。

 JR宮崎総合鉄道事業部(宮崎市)によると、車いすの介助が行えるのは「研修を受けた社員のみ」とする取り決めがあるという。研修では、車いすの取り扱いや列車にスロープをかけて列車に乗ってもらう手順を1日かけて学ぶ。担当者は「スロープが外れるなどしたら大けがにつながる。安全を考慮してのこと」と説明する。
 一方、JRと川南町が契約を結び運営を町観光協会に委託している川南駅では、車いすの乗客が来ると観光協会の職員が改札業務をしながらホームへの移動や列車にスロープをかけて乗せる介助をしていた。午前6時から午後5時半ごろまで予約なしで対応していた。
 このことが社内調査でわかったとして、JRは5月末、川南駅に置いていた列車とホームをつなぐスロープを回収。職員に車いす介助をしないよう指導したという。
大分)障害者がJR提訴へ 「駅員いれば気遣い不要」
 駅を利用していた車いすの男性は「いつでも好きな時に乗りたい」「これまで通り、駅の職員に対応してもらいたい」と要望。JRは委託先の職員も研修を受ければ車いすに対応できるよう検討を始めたという。

 宮崎総合鉄道事業部の中村孝正企画課長は「車いすの方が自由に乗り降りできるのが最も良いこと。運行事業者として安全は最優先。協議して早急に対応を検討したい」としている。(矢鳴秀樹)
32駅は車いす非対応

 JRによると、車いす利用者が駅で介助を求める場合は、事前に電話連絡する必要があるという。

 宮崎総合鉄道事業部が管轄する日豊線、日南線、宮崎空港線の計63駅のうち、研修を受けて介助ができる社員がいるのは宮崎、延岡、都城、日向市、南宮崎、宮崎空港、飫肥の7駅のみ。これ以外の簡易委託や無人駅で「対応可」とするのは14駅、1番線のみなど「一部対応可」は10駅。残る32駅は跨線橋(こせんきょう)があり渡れないなどとして、車いすには「非対応」だ。
 介助できる社員がいない駅での対応は午前9時~午後6時。予約に応じて南宮崎駅(宮崎市)から担当社員が車で出向くため、県南や県北の駅まで2時間かかることもあるという。「予約が重なるなどしたら対応できないこともある」「担当者は1人しかおらず、前日の予約が望ましい」と理解を求める。
 宮崎市の「障害者自立応援センター・ヤッドみやざき」の永山昌彦理事は「九州内でも駅の無人化が進んでいる」と指摘。市町村などへの簡易委託が進めば駅の無人化が防げ、そこの職員が対応すれば車いす利用者の移動が自由になると提言する。「川南駅を良い前例として新たな取り組みにつなげてほしい」と話す。


関連記事Similar Posts:

カテゴリー: 気になるニュース, 障害福祉 パーマリンク