何かあれば危険な急角度着陸、航空会社に改めて理解求める 羽田新ルート

急角度着陸、航空会社に改めて理解求める 羽田新ルート:朝日新聞デジタル より

急角度着陸、航空会社に改めて理解求める 羽田新ルート
贄川俊
2020/3/4 13:00

羽田空港の新ルートで採用される急角度の着陸を改めて周知するため、国土交通省が航空会社を集めて説明会を開いた=2020年3月2日午後2時4分、東京・霞が関、贄川俊撮影

 都心の低空を通る羽田空港の新飛行ルートの運用が3月29日から始まるのを前に、国土交通省が2日、国内外の航空会社を集めて新たな急角度での着陸方法についての説明会を開いた。新ルートをめぐっては、2月にあった試験飛行で一部の海外航空会社が「準備不足」を理由に、これまでよりも急な角度での着陸を避けており、改めて着陸方法を周知する目的があった。

羽田新ルートの狙いと懸念

 政府は今年までに訪日外国人客を年間4千万人に増やす目標を掲げている。新ルートを使うことで1時間当たりの発着数が10回増えて最大90回になり、そのほかの運用改善と合わせて、早朝・深夜を除く国際線の発着数は現在の最大年6万回から9万9千回に増えるとしている。
 新ルートでは、新宿駅付近で高さ約1千メートル、恵比寿駅付近で約700メートル、大井町駅付近で約300メートル上空を飛ぶ。大井町駅周辺では、掃除機に相当する最大76~80デシベルの騒音がすることになり、ルート周辺の住民には騒音への懸念が根強くある。
 国交省は騒音対策として、南風の好天時の着陸について、なるべく高度を上げるために急角度(3.45度)で着陸する方式を新たに設定した。ただ、一般的な空港で着陸する角度(3.0度)よりも進入時の速度が上がりやすいことなどから操縦が難しくなるとされ、国際定期航空操縦士協会連合会(IFALPA)は気象条件を考慮して、無理な着陸をしないよう注意を促していた。

国交省はどう説明したか

 この日の説明会には、羽田や成田に就航する国内外50以上の航空会社が参加した。
 急角度での進入について航空各社から懸念が寄せられていることを踏まえ、国交省の担当者は、最終進入地点から途中までは3.45度よりもさらに高角度で降下し、最後は3.0度で着陸する別の方式も認めることを説明した。
 一方で、最終進入地点での高度を下げてずっと3.0度の角度で着陸することは原則として認められないとも述べた。
 国交省は運用開始を前に、飛行試験で新ルートを飛んだパイロットへの聞き取りを進めている。航空会社側からは「他社の情報はとても有効。より安全性を高める意味でも結果を公表してほしい」との声が出た。
 新ルートの着陸をめぐっては、2月の飛行試験でエア・カナダ機が急角度の着陸を避けるために、着陸直前に行き先を成田に変更した。そして成田に着いた約2時間後、新ルートの運用時間が終わった後に羽田へ飛んだ。米デルタ航空も「パイロットの訓練などの準備不足」を理由に、急角度の着陸を見送っていた。
 国交省によると、国内外の航空会社には昨年から、新しい着陸方式を採用することを伝えていた。飛行試験の期間中だった2月4日には海外の航空会社へ通知を出し、パイロットに周知して新たな急角度での着陸をするよう促していた。(贄川俊)


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