線虫の「好き」「嫌い」判断の仕組み解明 名古屋大など

線虫の「好き」「嫌い」判断の仕組み解明 名古屋大など:朝日新聞デジタル

線虫の「好き」「嫌い」判断の仕組み解明 名古屋大など

 線虫が周囲の温度の「好き」「嫌い」を判断する神経回路の仕組みを明らかにしたと、名古屋大などのチームが発表した。放出する2種類の情報伝達物質のバランスで調節していたという。関係する遺伝子はヒトも持っているといい、好き嫌いに関する脳の仕組みの解明につながる可能性があるという。

 実験で使ったのは土壌にすむ体長約1ミリの線虫「C・エレガンス」。302個の神経細胞を持つことが分かっている。中野俊詩助教(神経科学)らは、20度の環境で線虫に餌を与えた後、場所によって温度が14~20度に変わる環境に移したところ、20度の場所に多くが集まった。20~26度の環境でも同様に20度の場所に近寄った。

 線虫は、餌があった20度を「好き」と判断したとして、温度を感知する神経細胞と、その情報を受け取る神経細胞の関係を調べたところ、感知する細胞が情報伝達物質としてペプチドとグルタミン酸を出していた。近寄る行動をした「好き」ではペプチドが多く、遠ざかる行動をした「嫌い」ではグルタミン酸が多かったという。

 チームの森郁恵教授(神経科学)は「『好き』『嫌い』の2択ではなく、『ちょっと好き』というようなグラデーションがあり、両方の物質のバランスによって行動が決まっていた。ヒトの好き嫌いの反応の解明につながるかもしれない」と話している。

 この成果は、米国科学アカデミー紀要に論文(https://doi.org/10.1073/pnas.1909240117別ウインドウで開きます)が掲載された。(木村俊介)

 

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