日本、IWC脱退を表明 来年7月から商業捕鯨を再開

日本、IWC脱退を表明 来年7月から商業捕鯨を再開:朝日新聞デジタルより
日本、IWC脱退を表明 来年7月から商業捕鯨を再開
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山村哲史 2018年12月26日11時23分

 政府は26日、クジラの資源管理をしている国際捕鯨委員会(IWC)からの脱退を表明した。反捕鯨国が過半数を占めるIWCに加盟したままでは、日本が目指す商業捕鯨の再開は難しいと判断した。来年1月1日までにIWCに通知し、6月末に脱退。7月から約30年ぶりに商業捕鯨を再開する。

 戦後、国際協調主義を掲げてきた日本が、自国の主張が通らないのを理由に国際機関から脱退するのは異例で、国内外から批判が出ている。思惑通りの商業捕鯨が実施できるかは見通せない。

 日本は現在、北西太平洋と南極海で調査捕鯨を実施しているが、脱退するとこれらの調査捕鯨はできなくなる。今後、政府は新たな資源管理の枠組みのもと、日本の排他的経済水域(EEZ)内での商業捕鯨を目指すとみられる。捕鯨の規模は現在より縮小されることになりそうだ。

 沿岸での小型クジラの捕鯨はIWCの対象外で、直接の影響はない。

 IWCは1982年に商業捕鯨のモラトリアム(一時停止)を決め、日本は88年に商業捕鯨から撤退した。その後は北西太平洋や南極海で調査捕鯨を続けながら、資源が回復した種類での商業捕鯨の再開を繰り返し求めてきたが、豪州や米国、欧州諸国などの反対で認められてこなかった。

 今年9月のIWC総会では日本が商業捕鯨再開と組織改革を提案したが、賛成27、反対41、棄権2で否決された。政府は「締約国としての立場を根本から見直す」と表明し、脱退を含む対応を検討してきた。

 国内では古くから沿岸で捕鯨が営まれてきたが、大規模になったのは戦後の食糧難の解消のためだ。学校給食などに供給され、60年代には消費量が年20万トンを超えたが、近年は3千トンあまりに減っている。

 日本が批准する国連海洋法条約は、クジラは国際機関を通じて管理すると定めている。政府は新たな枠組みづくりを進める方針だが、国際的に受け入れられる形が整わなければ、捕鯨そのものができなくなる可能性もある。(山村哲史)

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 〈日本の捕鯨〉 国際捕鯨委員会(IWC)が商業捕鯨のモラトリアム(一時停止)を続けるなか、科学調査を目的に南極海と北西太平洋でミンククジラやイワシクジラを捕っている。調査は国が計画を作り、日本鯨類研究所(東京)などに委託して実施。2017年度は約600頭を捕獲した。このほか、沿岸ではIWCの管轄外のツチクジラなどの小さな種類を農林水産相の許可で捕っている。

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