在宅勤務時も訪問介護サービスを さいたま市、国に要望

在宅勤務時も訪問介護サービスを さいたま市、国に要望:朝日新聞デジタルより
在宅勤務時も訪問介護サービスを さいたま市、国に要望
松浦新2018年11月25日11時00分

 常に介護が必要な重度障害者が在宅で仕事をすると、その間は訪問介護サービスが受けられない。ITで在宅勤務の可能性が広がる中、さいたま市は働きたい重度障害者の訴えを受け、国の地方分権改革有識者会議に運用の見直しを求めている。近く同会議が方針案を決める。

 さいたま市中央区の猪瀬智美さん(29)は全身の筋力が低下する難病で、ペットボトルを持ち上げるのも難しい。水を飲む、トイレに行くのも自力ではできないが、2012年11月からアパートを借り、障害者総合支援法に基づき市が運営する24時間対応の「重度訪問介護サービス」を利用して生活している。13年5月からは自宅でパソコンを使い働き始めた。マンション管理組合向けのサービスで、議事録の作成や居住者アンケートの集計をする。

 仕事をしている間は、訪問介護が受けられない。厚生労働省が「在宅就労の支援は、恩恵を受ける企業の役割」としているためだ。

 このため、猪瀬さんは午前9時から正午までと、午後1時から同4時までの間、介護サービスなしで働く。昼の休憩時間に介護サービスが入り、昼食のほか水を飲んだりトイレに行ったりする。体調がよくない時は時間が足りないことがある。就労中に助けが必要になり、介助者を3回呼んだことがある。

 中央区の矢口教介さん(30)は小学2年生の時から筋ジストロフィーで入院生活を続けてきたが、昨年6月に退院し、重度訪問介護を利用して自立した。5~6センチの範囲で動く手を使ってパソコンを操る。就職活動をして就職が内定したが、人工呼吸器が必要で、介護サービスが受けられないと命にかかわるため、仕事を始められずにいる。

 この状況に、さいたま市の清水勇人市長は、市議会2月定例会で「制度の運用でどこまでできるのか。新たな制度を構築していくことが必要なのかを含めて検討する」と答弁。市は「重度障害者の社会参加を支援できる」として、内閣府の地方分権改革有識者会議に、重度訪問介護サービスの規制緩和を提案した。

 同会議は、近く専門部会で方針案を決める。専門部会からは「業務ではなく、日常生活の支援なので支援すべきでは」と見直しに前向きな意見が出ている。

 矢口さんは「同じパソコンで、テレビゲームはいいが、仕事をしたら介護サービスが受けられないというのは理解できない」と話している。

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