国家社会主義-就活新ルール、政府主導で作成へ 経団連の指針廃止で

就活新ルール、政府主導で作成へ 経団連の指針廃止で:朝日新聞デジタルより
就活新ルール、政府主導で作成へ 経団連の指針廃止で
加藤裕則、森田岳穂2018年10月9日22時48分

 経団連は9日、新卒学生の就職活動の日程を決める「採用選考に関する指針」を廃止すると正式に発表した。2021年春入社以降の新卒学生が対象。同日の会長・副会長会議で決め、中西宏明会長(日立製作所会長)が定例記者会見で表明した。企業側と大学側などが1953年に「就職協定」を結んだことに始まる就活ルールは、経団連に代わって政府がルールづくりを主導する形に変わる。

 中西会長は会見で、大学3年生の3月に会社説明会、大学4年生の6月に採用選考を解禁する現行のルールが守られずに形骸化していると指摘。指針を廃止する理由について「ルールを作って徹底させることは経団連の役割ではない。強制力も持っていない」と述べた。ただ、大企業を中心に約1400社が加盟する経団連がルール作りを主導しなくなれば、外資系やIT系企業などの採用活動の前倒しに伴い、「すでに形骸化が指摘されるルールが、経団連加盟企業を含めてますます守られなくなる」(就職情報会社幹部)との懸念が出ている。

 経団連の決定を受け、政府は就職や採用活動の日程に関する関係省庁連絡会議を設け、今月15日に初会合を開くと発表した。文部科学省や厚生労働省などが参加し、内閣官房が取りまとめる形で、まずは21年春入社組に現行ルールと同じ日程を適用することを近く決める見通しだ。連絡会議には、経団連と、大学で構成する就職問題懇談会がオブザーバーとして加わる。

 いまの大学3年生にあたる20年春入社組は、経団連が定める現行ルールが適用される。大学2年生にあたる21年春入社組以降に適用するルールを同連絡会議で協議するが、大学1年生にあたる22年春入社組以降のルールは未定。新卒一括採用のあり方について議論を始めた政府の未来投資会議の結論を踏まえて新たなルールを決める方向だ。(加藤裕則、森田岳穂)

経団連会長「ルールは必要」
 経団連の中西宏明会長の記者会見での主なやりとりは次の通り。

 ――会長・副会長会議での結論は。

 「2021年度以降に入社する方を対象にした指針は、経団連としては策定しない。政府も問題提起として受け止めている。ルールが今後どうあるべきか、一括採用をどう考えるべきかは今後議論していく」

 ――今のルールに基づく新卒一括採用は限界に来ているのか。

 「限界にきているというか、多くの企業がそうでない方法を取っている。ただ、ルールは日本の社会では必要なんだろうなと。それはある意味ではコンセンサス」

 ――いまの大学1年生以降の就職活動にはどうかかわるのか。

 「ルールを決めることに関して反対するわけでない。むしろ必要であるという理解が主流。ルールが決まったら従うべきだというのは変わらない」

 ――指針の廃止に慎重意見はなかったのか。

 「ない。経団連の指針が、ルールとしてうまく機能していなかったという反省に基づいている」

 ――当面はルールが必要ということで一致していると思うが、将来的には?

 「新卒一括採用と、募集基準を明確化した通年採用を併用することが必要。政府が決めるからといって、通年採用が不自由になるのは困るという意見が多い」

 ――方向性が決まっていない中で、経団連が一方的に指針を廃止するのは問題では。

 「順序を気にしていたら、変えようと思っても変わらないのでは」

 ――会員企業が指針を守っていない現状をどう考えるか。政府のルールはどう順守させるのか。

 「経団連に強制力はないのだから、ルールも経団連が決めるべきではない。経団連は会員企業の意見を集約して世の中に訴えていくのが主たる役割。ルールを作って徹底させることは経団連の役割ではない。会員企業は不満を持ちながら順守してきたと思う」

 ――皆が守れるようなルールを政府が決めるのであればいいのか。

 「いいも反対もなく、経団連としては自分たちでルールを決めることはしないと言っているだけ」

 ――いまの大学2年生は現行通りのルールになる見込みだが。

 「それは理解できる。ルールを変えない方が楽だ。だが、(政府の)未来投資会議で(望ましい採用のあり方について)本質的な議論がどれくらいできるかがこれからの勝負。世の中の仕組みをいじくる話なので、いきなりやると大変というのはよくわかるが、変えることにためらいを持ちすぎてはいけないと思う」

 ――学生に伝えたいことは。

 「学生はやっぱり自由な時間があることが特権。いろいろな意味で自分の将来に役立つことを貪欲(どんよく)に勉強してきてほしい。幅広く勉強してもらうことが大事」

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