トランプ氏「私が『日本は我々の思いを受け入れなきゃならない。巨額の貿易赤字は嫌だ』と言うと、日本はすごい量の防衛装備品を買うことになった」 ニューヨーク

トランプ氏「日本はすごい量の防衛装備品を買うことに」:朝日新聞デジタルより
トランプ氏「日本はすごい量の防衛装備品を買うことに」
ニューヨーク=青山直篤、土佐茂生2018年9月27日21時07分

 「日本はいま、やる気になった」。安倍晋三首相との会談を終えたトランプ大統領は26日、日本と二国間関税交渉の開始で合意したことを、まっさきに「成果」として強調した。米中間選挙に向けたアピールだが、トランプ政権がその先に見据えるのは、中国との貿易戦争でもあった。

 「安倍首相と会ってきた。我々は日本と貿易交渉を開始している。日本は長年、貿易の議論をしたがらなかったが、今はやる気になった」

 トランプ大統領は26日、国連総会を締めくくる記者会見で、真っ先に日本との貿易交渉の開始という成果を取り上げた。

 さらに「私が『日本は我々の思いを受け入れなきゃならない。巨額の貿易赤字は嫌だ』と言うと、日本はすごい量の防衛装備品を買うことになった」と自身が日本から大きな譲歩を引き出したかのように語った。

 実際、日本はオバマ前政権の時にも、環太平洋経済連携協定(TPP)をめぐり、激しい通商交渉を重ねた。今回、トランプ氏は、米国が優位に立てる二国間交渉に日本を引き込んだことを「勝利宣言」とした。

 トランプ氏は貿易赤字は「負け」との思いが強い。11月の中間選挙を前に、雇用増につながるとトランプ氏が考える「貿易赤字の削減」は最も訴えたいテーマの一つだ。

 与党・共和党の支持者には自由貿易を信奉する経営者や農家が多い。トランプ氏が就任直後にTPPから離脱したことに不満を持つ人も少なくない。それだけに、日本との貿易交渉の開始はアピールになると考えているようだ。

 きだが、支持者や有権者に戦う姿は見せることができても、「実」をもたらしたわけではない。通商交渉を担うライトハイザー氏は会談後、日本とのFTAを視野に入れていることを示唆しつつも、FTAという文言は直接使わずに、日本側への配慮もにじませた。

 今後、具体的な関税交渉に入れば、トランプ氏は局面に応じてTPPを上回る譲歩を求める可能性がある。日本とは自動車への高関税で輸出を食い止めるという強硬手段を当面避ける形で手を打ったが、強力な「切り札」として持っている状況に変わりはない。

 ただ、トランプ政権が優先させたのは、中国との貿易紛争に備え、米側の態勢を整えることだった。対中紛争は次世代技術に関わる知的財産の侵害が争点の本丸。軍事も含めた覇権争いの性格が濃く、ライトハイザー氏は「子供たちの時代の経済に対する脅威」と位置付ける。米国は中国からの輸入品に巨額の追加関税をかけ、中国は報復で対抗し、紛争は激化する一方だ。

 日本との合意に先立ち、7月に欧州連合(EU)と、8月にメキシコとの通商合意をまとめ、国連総会中の24日には、再交渉を重ねた、新たな米韓FTAに調印した。さらに25日、日米欧の貿易相会合を開き、世界貿易機関(WTO)の改革案の提案で初めて合意し、対中連携を築いた。

 今回の国連総会は、さながら「通商」総会と化した。米政権関係者は「EU、メキシコと歴史的なディール(取引)を勝ち取り、日本とも合意できれば、中国にさらに注力できる」と語る。

 トランプ氏は26日、国連安全保障理事会の会合で「中国が11月の米中間選挙に干渉しようとしている」と批判。「中国は我々に勝利してほしくない。なぜなら私が通商問題で中国と対決する初の大統領だからだ」と牽制(けんせい)した。その後の記者会見では、中国の習近平(シーチンピン)国家主席について「もう友達でないかもしれない」と突き放した。(ニューヨーク=青山直篤、土佐茂生)

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