淡路島南あわじ市松帆銅鐸 松帆銅鐸に使用された鉛の産地が判明

南あわじ市松帆銅鐸の科学分析結果について – 兵庫県立考古博物館(PDF 2018.06.27)より
『南あわじ市教育委員会は、弥生時代の金属原料の流通や入手状況の実態を解明するために、平成28年度に松帆銅鐸の鐸7点と、平成29年度に舌(ぜつ)7点に使用された青銅のICP分析と鉛同位体比分析調査を実施しました。両者の測定結果の検討を行いましたので、発表します。
1松帆銅鐸の鐸・舌の科学分析結果について
①ICP分析結果、松帆銅鐸の青銅の成分が、銅70~81%、錫10~16%、鉛4~18%であることがわかり、古い銅鐸の青銅の成分比率と類似する。
②鉛同位体比分析の結果、松帆銅鐸の鐸と舌は朝鮮半島産の鉛を使っていることがわかった。
③3次元計測結果と実物の比較検討の結果により、舌4号と舌7号が同笵であることがわかった。

2評価と意義
①古い型式の銅鐸の青銅成分には錫と鉛が多く含まれ、新しい型式の銅鐸になると、銅の比率が高くなり、錫・鉛が10%以下になる傾向がある。松帆銅鐸では錫・鉛の比率が比較的高く、前期の銅鐸と似た成分比率となった。
②鐸と舌が一体で出土したことと、それぞれの鉛同位体比が、朝鮮半島産領域の中に収まっていることから、松帆銅鐸の舌が中期以降の新しい時期に付け替えられた可能性は低く、両者が近接した時期に採掘された鉛で鋳造されている可能性が高い(別紙資料)。
③松帆銅鐸が朝鮮半島産の鉛を使用していることは、同時期の菱環鈕式・外縁付鈕1式銅鐸の鉛同位体比分析の結果とも整合する。(島根県荒神谷出土の菱環鈕式・外縁付鈕1式銅鐸の鉛は、朝鮮半島産の領域に含まれ、それ以降の新しい銅鐸では中国前漢鏡の領域となることが従来の研究で明らかとなっている。)
④全国で12点の青銅製の舌が見つかっているが、舌の同笵品が見つかったのは今回が初めて。
⇒これまでの調査で同笵銅鐸(2、4号)が判明しており、松帆銅鐸のうち2号、4号、7号の鐸と舌は近似した時期に、同一の工人集団によってセットで製作された可能性が高くなった。』

松帆銅鐸 – 兵庫県教育委員会(PDF 2017.06.06)より
『南あわじ市教育委員会は平成28年度に松帆銅鐸・舌計14点のうち、2号銅鐸、4号銅鐸とそれに伴う舌4、7号銅鐸に伴う舌7の4点に付着していた植物遺体計8点の放射性炭素年代測定調査を専門業者に依頼し、測定結果が明らかとなった。
1松帆銅鐸内部付着植物遺体の放射性炭素(C14)年代測定の分析成果について
①松帆4号銅鐸の内面に付着していた植物遺体1点、舌4に付着していた1点、内部に堆積していた砂の中にあった植物2点の計4点は、紀元前4世紀~紀元前2世紀のものであると測定結果がでた。』

松帆銅鐸 – 南あわじ市ホームページ


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