頸髄損傷者(脊髄損傷者)関連レポート 第11回日本神経理学療法学会学術集会 2014年より

公益社団法人 日本理学療法士協会 か 理学療法士学会 – 日本理学療法士学会より

第11回日本神経理学療法学会学術集会
脊髄から見た神経理学療法
(PDF)2014年より

シンポジウム

一般演題


不全脊髄損傷に対する体重免荷トレッドミル歩行練習

中部労災病院
長谷川隆史

 脊髄損傷は完全損傷よりも不全損傷が多く、神経損傷高位以下に運動機能が残存するASIA Impairment Scale CとDの者では歩行再建の可能性が高いため、理学療法において、歩行再建は大きな目標の1つとなります.
 歩行トレーニング方法として、Body Weight Supported Treadmill Training(BWSTT)が近年注目されています.BWSTTはハーネスで体を上方に牽引し、体重を部分免荷しながらトレッドミル上を歩行するトレーニングです.1990年初頭に脊髄損傷患者に対する歩行トレーニングとして考案され、その後、脳卒中片麻痺などの様々な疾患に応用されてきています.
 四足動物では脊髄損傷後であってもトレッドミル上で胴体を支えてベルトを動かすと、自発的なステッピングが生じ、これを繰り返し行うとステッピングが改善していきます.四足動物では脊髄より上位の中枢神経あるいは末梢感覚器からの周期的な信号の入力なしに、屈筋および伸筋の周期的放電を発生させるCentral Pattern Generator(CPG)の存在が指摘されています.また、ヒトの脊髄にも歩行パターンを発生する能力があることが概ね支持されています.この結果を理論的背景として神経疾患患者を部分免荷しながらトレッドミル上を歩行させるトレーニングに発展させたのがBWSTTです.交互の両脚ステッピングに伴って喚起される末梢感覚入力を残存する中枢神経に与えることが脊髄および脊髄より上位の中枢神経の再組織化を促すと考えられています.
 BWSTTの利点は、CPGを利用できることのほか、従来なら歩行トレーニングが行えなかった患者(麻痺が重度、体重が重いなど)でもより早期から歩行動作の反復練習が可能であり、ハーネスを使用するため、転倒の危険性が低く、個々の患者の能力に合わせて免荷量や歩行㏿度などを容易に調節もできます.また、ハーネスで体を上方に牽引するため、大腿四頭筋などの抗重力的な筋活動が減少し、身体的な負担を軽減しながらトレーニングが行えます.歩行様の運動ができることによるトレーニング意欲の向上も望めます.
 本シンポジウムでは、不全脊髄損傷に対するBWSTTの効果をガイドラインなどから概説し、我々が独自に考案したトレーニング方法(BWSTTの歩行㏿度、免荷量)を用いたBWSTTの介入研究についても紹介しながら、BWSTTについて皆さんと考えたいと思います.


中枢神経障害に対するロボティクストレーニング

茨城県立医療大学付属病院
吉川 憲一

 2003年、Hesseは、ロボットは決して患者とセラピストとの相互関係に置き換わるものではないし、経験豊かなセラピストの手を模倣することもできないが、オートメーション化したリハビリテーションは患者へ新たな利益を提供することができると述べた.以降、中枢神経障害者の上・下肢に対するロボティクスリハビリテーションの効果に関する研究報告は増加し、2013年の Mehrholz らによるロボティクス歩行トレーニングのシステマティックレビューでは、脳卒中片麻痺患者に対して従来型の理学療法とロボティクスリハビリテーションを併用した場合、従来型の理学療法のみの場合よりも歩行自立度改善の機会を提供できると報告した.しかしながら、歩行㏿度や歩行耐久性(2 分間歩行距離などに代表される指標)といった歩行に関する直接的な機能改善効果については、従来型の理学療法に比べて有利であるという明確なエビデンスは未だ示されていないのが現状である.
 国内における代表的なロボティクスリハビリテーションの1つとして、CYBERDYNE 株式会社(茨城県つくば市)が開発した Hybrid Assistive Limb®(HAL)を用いたトレーニングが挙げられる.HALは既に、欧州での医療機器認証を受けており、2013 年 8 月にはドイツで労災保険の適用が発表された.1回当たりの診療報酬である 500ユーロ(約 6万5000円)の全額が、この労災保険でカバーされることになっている.中枢神経障害者に対する HAL を用いたトレーニングの効果に関する研究は、脳卒中片麻痺者に対するスウェーデンの研究、脊髄損傷不全麻痺者に対するドイツの研究が進行中である.日本では脳卒中片麻痺者に対するランダム化比較試験の結果が既に 1 つ発表されており(Watanabe et al, 2014)、我々のグループでもランダム化比較試験に向けた前向きコホート研究を実施中である.現在のところ、日本製のロボットを用いたトレーニングは、前述のようなシステマティックレビューに含まれておらず、今後も研究成果を積み重ねていく必要がある.
 シンポジウムでは、HALを用いた歩行トレーニング効果に関する研究のレビューと、HAL を用いた歩行トレーニングにおけるエッセンスを紹介する.


臨床における課題
~急増する高齢不全麻痺者への対応~

神奈川リハビリテーション病院
藤縄 光留

 総務省が敬老の日に合わせてまとめた 9月15日現在の高齢者推計人口によると、65歳以上の高齢者が3,296万人(前年比 3.5%増)、総人口に占める割合は 25.9%といずれも過去最高を更新している.75歳以上では 12.5%と人口の 8人に 1人と超高齢化社会を迎え、4人に 1人の割合になる 2025年問題が危惧されている.脊髄損傷(SCI)においても 1980年代頃より高齢SCI者の増加が報告されており、全国脊髄損傷データベース研究会の報告(1997~2006の10年間)では、60代を中心としたピークを形成する1峰性の年齢分布に近年変ってきている.60歳以上の割合は 35.3%で、うち不全麻痺 64.9%(60 歳未満では45.7%)、頸髄損傷 83.4%(64.4%)、非骨傷例 56.4%(28.8%)、骨化症合併 20.7%(6.6%)であった.高齢SCI者の発生特徴は、転落・転倒など比較的低エネルギー外力による非骨傷性の不全四肢麻痺が多く、脊柱狭窄などの病変を有していることも影響している.頸椎過伸展では C3/4、過屈曲では C5/6 が損傷され、歩行の可能性はあるが上肢の問題で ADL に介助を要する中心性頸髄損傷が多い.対応については度々検討されているが十分な現状とはいえない.これらを踏まえ、臨床で感じる高齢SCI者の問題点を確認し、参加者全員で理学療法士の視点だけではなく医療介護システムも含めた対応策や方向性を検討し、有意義な討議を行いたいと考えている.
高齢SCI者を取り巻く問題
□合併症リスクが高い.特に呼吸器合併症や尿路感染症が有意に多い.また、譫妄や鬱など精神状態が不安定なことや上肢の痛みや痺れを有することも多い.
□元来筋力の低下や易疲労性が目立ち、加齢による関節の硬さによる mobility の低下がある.また、内科的合併症の既往が有意に高く、すでに生理的予備機能が低下している.
□機能改善に時間がかかり予後予測や目標の設定が難しく、制限された在院日数内では ADL が未完のまま退院せざるおえない状況にある.
□体力のない高齢者では全介助状態で退院することが多く、介助者もまた高齢である.
□急性期から回復期、在宅・地域生活への一貫した治療システム構築が不十分.
など


一般演題

回復期リハビリテーションにおける長下肢装具の意義

山下 義人
順心リハビリテーション病院
Key Words:頚髄損傷, 長下肢装具, 回復期リハビリテーション
【はじめに】
 重度な下肢の運動麻痺に対して長下肢装具(以下 KAFO)を作成し,立位・歩行練習を行う目的の中に,麻痺側の筋活動の促通や荷重感覚の入力,非麻痺側の下肢及び,体幹の筋力増強・維持,全身状態の調整がある.今回,頸髄損傷による右上下肢の運動麻痺を呈する症例に対して KAFOを作成し,理学療法介入を行った.本症例を通じて,再認識及び,新たに認識できた,KAFO を作成する意義について,ここに報告する.
【対象と方法】
 70歳代,男性,身長は 175cm,体重 82kg.妻と二人暮らし.平成 26 年 6 月に頸髄硬膜外血腫により C3-L2 の椎弓切除及び,血腫除去術を施行.両側に変形性膝関節症の既往があり発症前は一本杖歩行にて,ADL は全て自立.毎日銭湯へ行くことや,仲間と飲み歩くことが多く,活動的な性格であった.発症後はリハビリテーション(以下リハビリ)における意欲が低く,HOPE も1人で車椅子に乗り,トイレへ行けるようにとのことであった.
 (初期評価)8月中旬に回復期リハビリテーション病棟に転院.右下肢 B.R.S.Ⅱ,MMT 体幹 2,右下肢 2,左下肢 3,FIM は 51 点で食事動作以外は全て介助.MMSE は 24 点.起居動作に介助を要し,座位は骨盤後傾により体幹伸展筋群が活動しにくい状態で,左上肢での支持無しでは後方へ倒れ保持が困難.立ち上がり動作は全介助にて両膝に疼痛の訴えがあり数秒で着座.移乗動作は 2 人介助,排泄はオムツ着用であった.
 (経過)本症例は活動的な性格であったが,発症後,起居動作,座位保持に介助を要する状態となり,機能回復への諦めから HOPE のレベルも低く,リハビリに対しても積極的な参加が得られなかった.そこで,理学療法介入初期より家族,本人同意のもと,右下肢 KAFO を作成.膝継手はダイヤルロック式リングロック付き膝継手,足継手はダブルクレンザック足継手を用いた.ダイヤルロック式リングロック付き膝継手にて右膝関節の疼痛を考慮し屈曲角度を調節,膝関節の屈曲角度に合わせて,ダブルクレンザック足継手にて足関節の背屈角度を遊動し,平行棒内での立ち上がりを試みた.しかし,車椅子の座面が低く立ち上がりに重度の介助を要した.そこで,リハビリ室から病室へ実施場所を変更,ベッドの座面の高さを調整し歩行器を用いた前腕支持での立ち上がり練習を実施した.座面の高さは 70cmから開始,車椅子座面の高さである 45cm を目標に徐々に低く調整した.9 月初旬には 60cm からの立ち上がりが可能となり,右膝関節の疼痛は軽減がみられたが,左膝関節の疼痛が残存していたため,変形性膝関節症用硬性装具である CB ブレースの作成を検討するも,改善がみられず中止.9月中旬には50cmからの立ち上がりが可能となり,立位保持も当初の数秒から 3 分程度可能となった.しかし,3 分を経過すると頸部の疲労を訴え時間の延長が困難となり,頚椎カラーを検討するも効果がみられず中止.頸部,体幹の抗重力筋に対して筋力及び,筋持久力増強運動をプログラムに追加.9 月下旬には 45cm からの立ち上がりが可能となり,車椅子からの立ち上がりが可能となった.次に,実際にトイレへと実地場所を変え,トイレと車椅子間の移乗練習を行った.
【説明と同意】
 対象者には装具作成および研究の目的と方法,個人情報の保護について口頭と書面にて十分に説明し,その上で同意を得た.
【結果】
 KAFO の作成により,前向きな発言が増え,リハビリへ積極的に参加.右下肢 B.R.S.Ⅲ,MMT 体幹 3,右下肢 3,左下肢 4.起居動作は自立.座位では骨盤の後傾が減少し,体幹を伸展しての保持が上肢支持無しで可能.立ち上がり動作,移乗動作は物的介助にて自立.立位保持時間が増大し,5 分程度可能.トイレ動作は見守りレベルとなった.
【考察】
 本症例は,頚髄損傷による重度な下肢の運動麻痺に対してKAFOを作成した.KAFOを用いた立位練習を行うことで,麻痺側下肢への荷重練習が可能となり,体幹及び,股関節周囲の抗重力筋の収縮の促通,そして,麻痺側の下肢だけでなく,非麻痺側の下肢及び,体幹機能や全身的なバランス能力に影響し,立ち上がり,移乗動作能力が改善されトイレ動作の獲得に至ったのではないかと考える.さらに,
 重度の下肢の運動麻痺を呈する症例に対して,実用的な歩行に至らなくとも,KAFO を作成し,立位練習を行うことで,リハビリ,病棟 ADL に積極的に取り組む姿勢がみられるようになり,障害の受容を促進したものと考えられる.
【理学療法学研究としての意義】
 回復期リハビリテーションにおける KAFO の使用は,身体機能面だけでなく精神面に及ぼす影響も考慮し検討していく必要がある.


脊髄損傷後の疼痛とパートナー反応および心理学的評価との関係

佐藤 剛介 1,2), 田中 陽一(OT)1,2), 大住 倫弘 3), 森岡 周 3)
1) 畿央大学大学院 健康科学研究科
2) 奈良県総合リハビリテーションセンター リハビリテーション科
3) 畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター
Key Words:脊髄損傷, 疼痛, パートナー反応
【はじめに】
 脊髄損傷後の疼痛は,約 81%に出現することが報告されている(Siddall 2003).脊髄損傷後の疼痛には,抑うつ・疲労・自己効力感などの心理的要因が関連することが明らかされている(Craig 2013).さらにパートナーと同居している場合には疼痛強度と関係し,疼痛行動に対するパートナー反応の違いにより疼痛と破局化との関係が変化することが報告されている(Giardino 2003).このように,脊髄損傷後の疼痛には心理的要因のみならずパートナー反応のような社会的サポートとの関係が指摘されている.
 先行研究では疼痛強度とパートナー反応との関係は調べられているが,パートナー反応と心理的要因との関係を調べた研究は見当たらない.そこで本研究では,脊髄損傷後の疼痛とパートナー反応との関係を検討するとともにパートナー反応に関連する心理的要因を調べることを目的とする.
【方法】
 対象は地域在住の 6 ヵ月以上経過した脊髄損傷者 17 名(男性:15名,女性2名,平均年齢±標準偏差:49.1±14.8)とした.疼痛評価は疼痛の有無と部位,疼痛原因を国際疼痛学会の脊髄損傷後疼痛の分類(Siddall 2000)を使用して分類し,疼痛強度を McGill pain questionnaire(以下MPQ)で調べた.心理的評価は,抑うつの程度を Beck depression inventory Ⅱ(以下 BDIⅡ),疲労を halder fatigue scale(以下 CFS),自己効力感を Moorong self-efficacy scale(MSES),破局化 を Pain catastrophizing scale(以下 PCS)を使用して行った.疼痛行動に対するパートナー反応の評価には,West Haven-Yale Multidimensional Pain Inventory(以下WHYMPI)の solicitous responding scale(以下 SRS)を使用した.
 データの収集は,対象者に評価表を配布し後日記入されたものを回収した.本人の記入が困難な場合には,家族あるいは調査者が代行して記入した.疼痛評価および身体機能評価については,理学療法士が行った. データ分析は,疼痛の有無について割合を算出し,疼痛を有する脊髄損傷者を疼痛グループに分類した.次に疼痛グループの MPQ および WHYMPI の SRS と各変数間の Spearman 順位相関係数を求めた.なお,有意水準はすべての検定で 5%未満とした.
【倫理的配慮,説明と同意】
 本研究はヘルシンキ宣言に従い,すべての対象者に対して本研究の主旨と内容を説明し同意を得て行った.
【結果】
 疼痛を有する脊髄損傷者は 17 名中 12 名で認められ 71%であった.疼痛部位は,肩・肩甲骨が 2 名,上肢全体が 2名,前腕 2 名,手掌 2 名,下肢全体 4 名,大腿 1 名,下腿2 名であった.疼痛の分類では,筋骨格系疼痛が 2 名,神経障害性疼痛が 11 名であり 1 名が重複していた.疼痛グループの MPQ は,感覚的評価が 14.0±5.3,感情的評価が2.4±2.4,評価的評価が 1.6±1.0,その他評価が 5.2±4.2,合計点が 23.2±10.6 であった.BDIⅡは 14.6±7.0,CFSは身体的疲労が 14.5±6.4,精神的疲労が 5.5±3.9 であった.MSES は 59.8±18.6,PCS は 27.4±9.5 であった.WHYMPI
の SRS は 2.6±1.1 であった. 統計学的検定の結果は,MPQ 感情的評価と WHYMPI の SRS の間で有意な正の相関関係(rs=0.68)が認められた.MPQ 合計点と PCS の間で有意な正な相関関係(rs=0.63)あり,MPQ 感覚的評価は CFS 身体的疲労と有意な正の相関関係(rs=0.61)が認められた.
 WHYMPI の SRS と BDIⅡの間では,有意な正の相関関係(rs=0.77)を認めたが,他の変数とは有意な相関関係は無かった.
【考察】
 脊髄損傷後の疼痛は,約 67%-81%であることが報告(Finnerup 2001, Siddall 2003)されており,本研究の結果も先行研究を肯定する結果であった.疼痛部位は,損傷髄節レベル・下位レベルで生じているものが多く,神経障害性による疼痛が大半を占めた.パートナー反応と疼痛との関係では感情的側面とのみ有意に相関し,心理学的評価との関係では抑うつと相関した.これらの結果からは,介助者の疼痛行動に対する反応が疼痛の感覚的側面よりむしろ感情的側面や気分と関係していることが示唆された.また,疼痛は破局化や身体的な疲労とも関係し,疼痛による心理面での変化を生じることが示された.
【理学療法研究としての意義】
 脊髄損傷後の疼痛に関連した要因を多面的に捉えることは重要であり,本研究の結果は当事者や家族・介助者を含めた疼痛のマネージメントを行う上で基礎情報となる.


競技スキー大会中の転倒により胸髄不全損傷を呈した一症例
歩行自立度と姿勢制御に着目して

宮下 創 1), 羽田 晋也 1)
独立行政法人地域医療機能推進機構 星ヶ丘医療センター
Key Words:胸髄不全損傷, 歩行自立度, 姿勢制御
【はじめに,目的】
 今回,競技スキー選手として活躍していた胸髄不全損傷患者を担当した.理学療法経過で歩行自立度と有する身体機能に乖離を認めた.その要因として,本症例の姿勢制御が歩行自立度に影響していると考え理学療法を実施し良好な結果を得たので報告する.
 症例は 10 歳代男性,競技スキー大会中に転倒し,Th3-4 胸髄損傷(Th3 破裂骨折),C1-2 骨折と診断を受ける.改良Frankel 分類(以下,F 分類)は B2,下肢は MMT0 であった.
 同日,頚椎固定目的でハローベストを装着し,胸椎固定術(Th1-6)を施行.受傷 16 日後(F 分類 C1,下肢 MMT3)に C2の転位を認め,受傷 30 日後にスクリュー固定術(C2)を施行.受傷 45 日後(F 分類 D0(D1),下肢 MMT4)に当院急性期病棟へ転院.受傷 50 日後に当院回復期病棟へ転棟し,院内移動は車いす自走自立.受傷 93 日後にハローベストを除去し,院内移動は歩行車歩行自立.受傷 123 日後(F 分類E,下肢 MMT5)に屋外歩行自立となり自宅退院となった.本症例の特徴として,腹筋群や股関節周囲筋群の筋緊張低下と腰背筋群や下肢の二関節筋の過緊張を認めた.初期の歩行は立脚期に Trendelenburg's sign を認め,体幹の前傾,股関節や膝関節は屈曲位となり固定的で連続性を欠いた歩容を認めた.
【方法】
 初期評価を受傷 2 カ月後,中間評価を受傷 3 ヶ月後,最終評価を受傷 4 カ月後に実施した.脊髄損傷評価はAmerican Spinal Injury Association 機能障害評価の下肢運動スコア(以下,LEMS;50 点満点)と F 分類を用いた.歩行自立度の指標は Timed Up and Go test(以下,TUG-t;秒)と Spinal Cord Independence Measure III (以下,SCIM)の移動項目(各 8 点満点)「屋内移動」・「適度な距離の移動(10~100m)」・「屋外移動(100m 以上)」を用いた.バランス評価は重心動揺計(アニマ社製)を用いて静的立位の開眼・閉眼を測定し,外周面積(cm²),Romberg 率(外周面積
の閉眼・開眼比)を算出した.体幹機能評価は臨床的体幹機能検査 Functional Assessment for Control of Trunk(以下,FACT;20 点満点)を用いた.
【倫理的配慮,説明と同意】
 今回の発表にあたり,症例と家族には当院の倫理委員会規定に従い説明し同意を得た.
【結果】
 評価結果は初期・中間・最終の順に,LEMS は 39・41・49,F 分類は D0(D1)・D1・E となった.TUG-t は 45.87・8.52・5.70,SCIM 移動項目は屋内移動 2・8・8,適度な距離の移動 2・4・8,屋外移動 0・3・8 となった.外周面積は,開眼が 5.81・3.99・3.14,閉眼が 14.17・14.71・3.92,Romberg率は 2.44・3.69・1.25 であった.FACT は 8・17・20 となった.
【考察】
 師岡らは受傷 4 週後に歩行補助具を使用せず 50m の歩行可能を自立と判定する指標として LEMS のカットオフ値を41.5 点とし,對馬らは TUG-t において健常高齢者は 10 秒以内で遂行可能と報告している.また畠山は CVA 患者を対象とした屋外歩行自立判定に FACT のカットオフ値が 17 点と報告している.本症例において,中間評価の結果では歩行自立度の指標となる値に到達していたが,CIM 移動項目は歩行自立に至らなかった.その要因として本症例の姿勢制御が歩行自立度に影響していると考えた.今岡らは健常男性の外周面積の平均値は開眼 2.63cm²,閉眼 3.76cm²,Romberg率の平均値は1.49と報告している.また川端らは,競技スキー選手は外部環境から自分の位置や㏿度を判断するため姿勢制御には視覚の寄与が高いことを報告している.本症例において,中間評価の閉眼外周面積は健常男性の約 3.91 倍であり,受傷前の競技特性も姿勢制御に影響していることが予想された.また FACT は 17 点となったが,腹筋群や股関節周囲筋群の筋緊張低下は残存し,代償的に腰背筋群や下肢の二関節筋が過緊張を呈し股関節戦略優位となり,単関節筋の活動が低下していた.そのため末梢からの体性および固有感覚入力は減少し,視覚優位での姿勢制御になっていると考えた.そこで理学療法では,入院時からの股関節戦略優位な姿勢制御の改善を目的に,腹筋群や単関節筋での分節的な運動を促通した.それらの活動を通して末梢からの感覚入力を増加させ視覚優位な姿勢制御の改善を図った結果,最終評価では体性および固有感覚入力が増加し,股関節戦略優位から足関節戦略の要素も認められるようになり,閉眼外周面積は約 3.91 倍から 1.04 倍と健常男性に近い値へと変化した.つまり閉眼時には体性および固有感覚からより多くの入力情報を利用できる姿勢制御を獲得したことで屋外歩行自立へ至ったと考えられる.
【理学療法研究としての意義】
 症例の歩行自立度を把握するためには身体機能だけではなく,重心動揺検査による客観的な指標を用いて姿勢制御の特徴を評価し,歩行自立の可否を判定することが重要と考える.


頸髄損傷例における拡散テンソル画像と運動機能における検討

山本 哲 1,2), 岡本 善敬 2), 梅原 裕樹 2), 石橋 清成 2),
門間 正彦 3), 河野 豊(MD)4),沼田 憲治 1,2)
1) 茨城県立医療大学理学療法学科
2) 茨城県立医療大学保健医療科学研究科
3) 茨城県立医療大学放射線技術科学科
4) 茨城県立医療大学付属病院神経内科
Key Words:拡散テンソル画像, 頸髄損傷, 運動機能
【はじめに,目的】
 拡散テンソル画像(Diffusion Tensor Imaging 以下,DTI)は現時点で,生体内において非侵襲的に白質線維方向を表す唯一の方法であるとされる.近年リハビリテーションの領域においても,DTI を用いて白質の構㐀的異常の評価を行った報告が増えている.DTI のパラメータである拡散異方性(Fractional Anisotropy 以下,FA)は 0-1 の範囲の値をとり,軸索の密集している白質において高値を示すことが知られている.一方,頸髄損傷等の白質損傷によって軸索の損傷を受けることにより,FA が低下することが報告されている.今回,脊髄損傷患者に対し DTI 撮影を行い,損傷部位の評価および機能評価を行ったところ,若干の知見が見られたため報告する.
【方法】
 対象は回復期病院入院中の脊髄損傷患者 2 名であった.MRI-DTI 撮影には TOSHIBA 社製 1.5 テスラ MRI 装置を使用した.撮影パラメータは以下の通りである(フリップ角90°/180°,TR=10000,TE=100,マトリックス 128×128,FOV 260mm×260mm,スライス厚 3mm,スライス数 45 枚,加算回数 4 回,b値=1000,MPG6 軸).DTI の解析には東大放射線科開発のフリーウェア,dTV を使用した.DTI 解析において,損傷領域より吻側部の脊髄(右および左半側)を関心領域に設定し,トラクトグラフィーを算出した.また FA画像における関心領域は,損傷高位の側索に設定した.機能評価は徒手筋力検査(MMT)および感覚検査を行なった.
【倫理的配慮,説明と同意】本研究に際し,本人に紙面にて説明を行い,同意を得ている.また本研究は,倫理委員会の承認を受けている.
【結果】
 症例 1:30 代男性,疾患名:不全頸髄損傷,C6 椎体骨折,C7 破裂骨折.MRI T2 強調画像にて C7 脊髄内に異常高信号域を認めた.受傷直後の機能評価では,右上肢 5,左上肢4,右下肢 2,左下肢 1 レベルの重度下肢麻痺を認めていたが,受傷後 2 ヶ月における MMT は,右上下肢 5,左上下肢4 レベルと改善を認めた.感覚検査では,左体幹から下肢の痺れ,痛覚過敏の訴えあり.損傷領域周囲の DTI 画像は画質低下により FA 算出が困難であった.トラクトグラフィー(受傷後 3 ヶ月)にて,右と比較し,左側索の線維数減少が見られた.また一部,左脊髄半側から右脊髄に交叉する線維の描出を認めた.
症例 2:60 代男性,疾患名:不全頸髄損傷,頸椎損傷(C2右椎弓根基部骨折・C3-T3棘突起骨折),第5胸椎破裂骨折.MRI T2 強調画像にて C2,C6,C7 脊髄内に異常高信号域を認めた.受傷後 3 ヶ月における MMT は,右上肢 2,左上肢4,左右下肢 4 レベルと右上肢優位の筋力低下を認めた.感覚検査では,両足部より遠位に痺れの訴えあり(左右差なし).DTI 画像(受傷後3ヶ月)では,C2-3 右側索において著明な FA 低下を認めた(右 0.30±0.08,左 0.67±0.04).また,トラクトグラフィーは,C2-3 高位の右側索において描かれなかったが,同部位を迂回するような線維の描出を認めた.
【考察】
 症例 1 において,左側索のトラクトグラフィーの描出は認めず,左優位,下肢優位の運動麻痺が見られた.また症例 2 において,右側索の著明な FA 低下および右上肢優位の運動麻痺が見られた.これは,受傷時の外力により右頸髄半側優位の損傷を受けた結果,右上肢優位の運動麻痺が見られたものと考える.これらの結果より,DTI は運動機能障害と一部一致することが確認された.しかし,FA 低下およびトラクトグラフィー本数減少の程度と,組織損傷および機能障害の程度の関係については検討の余地が残る.
今後 DTI 解析方法の検討を行ない,症例数を重ね,詳細な機能評価を行うことが必要であると思われる.
【理学療法学研究としての意義】
 本研究の症例において,MRI 構㐀画像所見・臨床所見・DTI 所見に一部一致した所見が認められた.今後 DTI 画像の解像度がより精細になることで,より詳細な評価が可能となり得る.


高位頸髄損傷の起立性低血圧に対する試み
座位保持能力の向上を目指して,立位保持練習を取り入れた一症例

樋口 祐輔 1), 肥塚 二美子 1), 宮嶋 愛弓(OT)2)
1) 医療法人若水会 関谷クリニック
2) 四條畷学園大学
Key Words:高位頸髄損傷, 車椅子座位, 起立性低血圧
【はじめに,目的】
 夜間人工呼吸器レベルの頸髄損傷者は,起立性低血圧が著明な例が多く,直立した座位を保ちにくい.そのため,電動車椅子のチンコントロール操作性や,相手を見ながら会話することが困難で,社会参加の妨げとなる.今回,受傷後 8 年を経過した C3 頸髄損傷四肢麻痺者の大学講義の聴講や,講演する際の姿勢を改善するために電動車椅子の導入を行った.その際に起立性低血圧が著明であったので,週1回 40 分理学療法にて立位練習を行い,座位保持能力の改善がみられたため,以下に報告する.
【方法】
 症例は,25 歳男性であり平成 18 年 4 月に頸髄損傷を受傷し,C3 頸髄損傷四肢麻痺(C2 歯突起骨折・C1 脱臼),Asia分類 A である.同年 11 月に自宅復帰し,その後復学するも起立性低血圧・痙性が著明となっていた.そのため,平成 23 年 5 月より当院にて理学療法・作業療法を開始した.今回,電動車椅子の導入にあたり,起立性低血圧が問題となったため,立位練習を実施した.この際,血・脈拍・徒手筋力テスト・肺活量(ミナト社製オートスパイロメーターAS-307)・痙性・座位角度・座位保持時間・立位保持時間・自覚症状を評価した.当初は起立台にて立位練習を開始したが,起立性低血圧が著明に生じた.その為,前方より膝関節を固定し,体幹・骨盤を徒手的に介助する立位練習へと変更し,立位保持時間は自覚症状を基準とし,介入を行った.
【倫理的配慮,説明と同意】
 研究実施にあたり,対象者に研究の目的および測定に関する説明を十分に行い,同意を得た.
【結果】
 立位練習期間は平成 26 年 1 月から 9 月までである.血圧・脈拍に関しては,立位練習開始時座位(92/52mmHg・84回/分)/立位(測定不可:起立性低血圧の為)であり,最終時座位(98/60mmHg・88 回/分)/最終時立位(98/50mmHg・105回/分)であり,介入後の血圧に関しては,座位から立位への変化によって著明な血圧低下なく,脈拍の増加がみられた.座位角度の変化と座位保持時間に関しては,立位練習開始時(チルト 15°/リクライニング 115°)が設定の限度であり,それ以上の角度では起立性低血圧を生じていた.
 最終時(チルト 0°リックライニング 100°)となり,80 分の座位保持可能レベルまで改善した.,立位保持時間に関しては,立位練習開始時(3 分 40 秒)と最終時(10 分 30 秒)を比較すると改善した.痙性に関しては,介入前後でAshworth(上肢 2/下肢 3)に変化はみられなかった.自覚症状は,日常生活において,講演時の座位角度の改善と,車椅子使用時の痙性の出現頻度の軽減している.肺活量に関
しては,立位練習開始時(VC:0.75L)と最終時(VC:0.81L)を比較すると改善した.徒手筋力テストに関しては,著明な変化はみられなかった.
【考察】
 今回,立位練習により維持期,C3 頸髄損傷者の起立性低血圧の改善がみられ,その結果電動車椅子の座位角度に変化をもたらした.Susan J. Harkema らの報告によると,立位歩行トレーニングにより下肢への体重負荷によって神経筋活性化が生じ,また心臓血管反応性の改善によって,座位の安静時血圧の上昇がみられたと報告している.本症例において,起立性低血圧の改善をもたらした要因としては,①下肢筋群の活性化による静脈還流量の増加と,②自律神経系の賦活が考えられる.①下肢筋群の活性化に関しては,当初立位練習を起立台にて実施していた.しかし起立台においては,起立角度は 70°まで角度を上昇できたが,立位保持時間と起立性低血圧共に,著明な変化が生じなかった.その為,前方より膝関節を固定し,体幹・骨盤を徒手的に介助する立位練習を行うことで,下肢への荷重刺激により,下肢に対する亢重力伸展活動が促通されたと考える.その為,起立性低血圧の改善をもたらせる下肢筋群の活性化が生じ静脈還流量の増加に至ったと考えている.②自律神経系の賦活に関しては,立位練習によって血圧の低下が生じないこと,脈拍の上昇が生じたことにより起立性低血圧の改善がみられた.要因としては,循環中枢又は,圧受容器反射とレニン・アンジオテンシン・アルドステロン系のホルモン分泌等による循環機能調節が生じていることが推察できる.上記の機序に関して,明確な検証が行えていないため,今後の課題としたい.
【理学療法学研究としての意義】
 維持期における,高位頸髄損傷者の起立性低血圧に対して,立位練習によって改善がみられた.そして,起立性低血圧の改善によって,座位保持機能と自覚症状の変化がみられた.今後は,日常生活においてチルト・リクライニングを起こした状態で,電動車椅子の操作や社会生活に繋げていきたいと考えている.また課題として,立位練習の身体機能への影響を検証していく必要がある.


不全型脊髄損傷者に対するロボットスーツHALを用いた歩行練習の効果
-表面筋電図による筋活動パターンの検討-

鳥山 貴大 1), 丸谷 守保 1), 相馬 光一 1), 森井 和枝 1), 天野 裕子 1), 浅井 直樹 1),
菅野 達也 2),柏原 康徳 2),横山 修(MD)3),高内 裕史(MD)3), 山海 嘉之 4)
1) 神奈川リハビリテーション病院理学療法科,2) 神奈川リハビリテーション病院リハビリテーション工学科
3) 神奈川リハビリテーション病院リハビリテーション医学科
4) 筑波大学サイバニクス研究センター長 CYBERDYNE 株式会社 CEO
Key Words:ロボットスーツ HAL, 不全型脊髄損傷者, 表面筋電図
【はじめに,目的】
 脊髄再生医療の進歩とともに不全型脊髄損傷者の増加も懸念される中,ロボットスーツ HAL 福祉用(以下 HAL)による歩行能力改善への期待は高い.昨年度より当院でも不全型脊髄損傷者に対して HALを用いた歩行練習を実施しており,歩行能力改善に有効となる可能性がある事を第 49回日本理学療法学術大会にて報告した.不全型脊髄損傷者は両側性の運動麻痺,痙縮,感覚障害等の影響から代償した歩行を呈しやすいが,HAL を用いる事で能力に合わせた効率的な筋活動が得られているのではないかと考えた.今回,HAL を用いた歩行練習前後で表面筋電図を用いて筋活動パターンを計測し,若干の知見を得たので報告する.
 尚,本研究は神奈川県さがみロボット産業特区の実践フィールドとして行われている研究の一部である.
【方法】
 対象は急性大動脈解離後に対麻痺を呈した 50 代男性.発症 137 病日.Th6 不全対麻痺,AIS /D,MMT(Rt/Lt)股屈曲 4-/4-,伸展 2/2,外転 2/2,内転 3-/3-,膝屈曲 3/3,伸展 4-/3+,足底屈 3/3,背屈 3-/3,体幹屈曲 3,伸展 3.起居動作自立,日常生活は車椅子使用.歩行は歩行器使用し軽介助,連続 10m 程にて下肢疲労感出現,膝伸展ロックと体幹前傾が特徴的であった.本研究では,AL を用いた歩行練習を週2回(1 回あたり上限 30 分),6 週間,計 12回実施した.歩行練習には免荷式歩行器を用い対象者がHAL の重量を感じない程度に免荷,歩行㏿度は快適㏿度とした.HAL 歩行練習を実施しない週 3 日は通常の理学療法を実施した.歩行評価は HAL 歩行練習開始時(以下 HAL 前),終了時(以下 HAL 後)の計 2 回,三次元動作解析装置(VICON NEXUS),床反力計(AMTI),表面筋電図(NEC メディカルシステムズ)を用いて実施した.電極は左右の外側広筋,外側ハムストリングス,股関節屈筋群,大殿筋に貼付した.サンプリング周波数は 960Hz,カットオフ周波数は 20-480Hz とした.統計学的分析は SPSS 16.0J を使用し,歩行分析データは,paired t test(P<0.05)を用いて検討した.
【倫理的配慮,説明と同意】
 本研究は当院の倫理委員会の承認を受け,対象者に研究の説明をし書面にて同意を得た.
【結果】
 結果を HAL 前→HAL 後の順に示す.歩行㏿度(cm/sec)は15.3±2.3→32.1±3.5,HAL 後に有意に増加.歩行周期(右/左,sec)は 4.7±0.5/4.8±0.4→1.8±1.2/2.6±0.2,左右ともに HAL 後に有意に減少.歩幅(右/左,cm)は 37.7±8.5/36.1±2.0→43.7±6.3/39.4±3.5,左右ともにHAL 後に有意に増加.両脚支持期(右/左,% of Walk cycle)は 35.2±1.9/33.0±2.8→27.3±2.6/24.7±3.0,左右ともに HAL 後に有意に減少.単脚支持期(右/左,%of Walk cycle)は 15.5±1.8/16.0±2.1→22.7±1.9/25.1±2.4,左右ともに HAL 後に有意に増加.体幹前傾運動域(deg)は 9.7±2.8→6.3±1.4,HAL 後に有意に減少.体幹後傾運動域(deg)は-0.1±2.1→3.1±2.2,HAL 後に有意に増加.遊脚初期の股関節屈曲角度(右/左,deg)は 1.9±1.0/6.2±1.4→7.9±2.1/7.0±1.3,右側のみ有意に増加.遊脚初期の膝関節屈曲角度(右/左,deg)は49.1±1.0/57.3±1.5→55.2±2.7/61.1±1.5,左右ともに有意に増加.立脚中期前半の膝関節屈曲角度(右/左,deg)は-1.8±1.7/1.8±1.1→5.3±5.5/13.8±2.3,左右ともに有意に増加.表面筋電図所見より,HAL 後において,規則的且つ効率性の良い筋活動パターンが観察された.両側ともに荷重応答期から立脚中期にかけて,外側広筋・大殿筋の継続した筋活動の増加と荷重応答期の後半から股関節屈筋群の活動が観察された.遊脚期では股関節屈筋の活動のタイミング改善が観察された.
【考察】
 HALによるフィードフォワード系の運動制御支援により,立脚から遊脚への切り替えのタイミングが円滑化した為,遊脚初期における股関節屈筋群の筋活動のタイミングの改善と外側ハムストリングスの筋活動を伴った過剰努力の少ない分離した振出しを学習できたと考える.また,生体電位信号に合わせたパワーユニットのコントロールにより下肢の支持性が保障された為,立脚中期に膝を屈曲位で支える経験ができ,立脚初期から中期にかけての外側広筋および大殿筋の筋活動を用いた支持を学習できたと考える.以上のことから,不全型脊髄損傷者における HALを用いた歩行練習は,定常的に長時間の反復運動を提供でき,筋活動を用いた歩行動作の感覚入力を行う事ができる為,歩行中の筋活動パターンを規則的且つ効率化する事ができる可能性があると考える.
【理学療法学研究としての意義】
 本研究は,不全型脊髄損傷者に対して HAL を用いた歩行練習を実施することで,能力に合わせた効率的な歩行中の筋活動を学習することができる可能性を示唆できた事に意義がある.


高位頸髄損傷者の外的刺激に対する疼痛の軽減を目指した関わり
-介護を受ける際の姿勢制御に着目したシングルケーススタディ-
粟生田 晋哉 1), 松本 綾香(OT)1), 杉田 貴寛 1), 宮田 淳子 2), 髙村 浩司 3)
1) 医療法人瑞穂会 訪問看護ステーションみずほ
2) 医療法人瑞穂会 城南中央病院
3) 健康科学大学 健康科学部 理学療法学科
Key Words:頸髄損傷, 外的刺激, 姿勢制御
【はじめに,目的】
 近年,重症例の頸髄損傷の自宅退院の短期化が進んでいる.また,最も介護時間を要する項目は”安楽”との報告もあり,激しい痛みを呈したまま在宅生活に移行された方の介護負担の軽減が求められている.今回,強い疼痛と起立性低血圧・痙性が残存した状態で自宅退院され,その後も離床や症状の安定に難渋した症例の訪問リハビリを担当した.特に外的な刺激に対して疼痛や姿勢の崩れを誘発しやすく介護負担も多かった.それに対し,座位バランス練習等で頭頸部の分離と姿勢制御を促した事で,症状に若干の改善を認め,介護の行いやすさと離床が進むきっかけにつながった.目的は,介入による効果を検証する事とした.
【方法】
 対象は C4/5 の脊髄損傷により四肢麻痺を呈した 50 代男性.転落受傷より 2 ヶ月後,リハビリ目的に転院.しかし,起立性低血圧と強い疼痛により,積極的なリハビリや体位変換等が困難であった.6 ヶ月後,退院し訪問リハビリ開始.初期評価(192 病日),主訴:肩が痛い.要介護 5,週 3回訪問看護・リハビリ,週 1 回デイサービスを利用.血圧は 70~150/40~80mmHg と不安定,20°のギャッジアップで血圧低下.Frankel 分類 B2.随意性は左肘関節屈曲,前腕回内が若干残存.感覚検査:表在・深部とも上下肢は重度鈍麻,手指は脱失.Numeric Rating Scale(NRS):安静時は両上肢 6~7,頸部・両肩甲帯・腰背部 1~2,両踵部 4~5.リフト移乗時は頸部・両肩甲帯・両上肢に 7~9,ギャッジアップや上肢への接触等の外的刺激で痙性と疼痛が出現.Modified Ashworth Scale(MAS):体幹・下肢の痙性著明,両肩関節屈曲 3,内旋・外旋 4,外転 2,両肘関節屈曲 3~4,伸展 3,両手関節掌屈・背屈 3,両手指屈曲 4.関節可動域(左/右):肩関節屈曲 25°P/10°P,外転 45°P/40°P,内転-5°/-5°P,肘関節屈曲 100°/60°P,伸展-35°P/-45°P,手関節掌屈 35°/10°,背屈 15°/30°.背臥位は圧中心が左偏移,ヘッドアップ不可.ADL は,全介助も経口摂取,リフト使用.本症例は,外的刺激により疼痛や姿勢の崩れが生じやすい為,離床や姿勢修正が困難であり,常に同じ姿勢・不良姿勢による疼痛の増強という悪循環に陥っていた.この問題点に対し,体幹・頸部・四肢伸筋群の筋緊張亢進,四肢・体幹の感覚鈍麻・随意性低下,頸部~上肢の疼痛等を背景とし,疼痛・痙性のトリガーとなる頭頸部の動きを制御している姿勢制御システムの障害が原因ではないかと考えた.介入として,まず疼痛・過緊張を生じさせないように起きる準備(ポジショニング・モビライゼーション)を行った.次に,感覚情報が受け取りやすく調節しやすい(頸反射の影響が少ない.運動をイメージしやすい.腹内側系を賦活しやすい.)という理由から,座位バランス練習を選択した.その際,対象の後方にセラピストが身体を接触させ,安定を保障した中で姿勢制御を促した.その後,起居動作の中で段階づけをしながら,従重力方向への適応につなげていった.
【倫理的配慮,説明と同意】
 ヘルシンキ宣言に基づき,対象及び家族に研究の趣旨を十分に説明し書面にて同意を得た.
【結果】
 最終評価(374 病日),感覚検査:表在・深部とも上下肢は中等度鈍麻,手指は重度鈍麻.NRS:両肘関節周囲に限局し4~5,左肩甲帯 1,両踵部 1~2.リフト移乗時は右肩甲帯4,外的刺激に対する疼痛は軽減.MAS:体幹・下肢痙性軽減,両肩関節屈曲 2,内旋・外旋 3,外転 1,両肘関節屈曲1+,伸展 3,両手関節掌屈・背屈 1,両手指屈曲 3.関節可動域:肩関節屈曲 45°P/30°P,外転 70°/55°,内転 0°/0°,肘関節屈曲 110°/80°,伸展-15°/-35°P,手関節掌屈 60°/25°,背屈 45°/50°.背臥位は圧中心が左偏移も正中位に近づき,ヘッドアップ可.ADL は,ギャッジアップ時は痙性や疼痛が軽減し,介護が行いやすくなった.しかし,背臥位では依然として疼痛を生じやすい.
【考察】
 本症例は,頸髄損傷により固有感覚情報の低下を呈し,また長期臥床と疼痛・過緊張による全身の伸展パターンでの固定を強めていた為,過剰に前庭感覚の影響を受けている状態となっていた.その為,接触・姿勢変換等の外的刺激や感覚情報の変化を適切に受け入れ,適切に反応できる姿勢制御が行えていなかった.これに対し,前庭や体性感覚の影響に配慮しながら静的な状態から動的な運動経験
を漸増していく事で,入力情報の整理・統合を頭頂葉で行い,姿勢制御システムとボディイメージの再構築が行われ,若干ではあるが問題点の改善につながったと考える.しかし,姿勢反射の影響を抑制する事が難しく,背臥位での介護時に疼痛が生じやすいという課題が残った.
【理学療法研究としての意義】
 重症例の頸髄損傷者においても,姿勢制御に着目し介入する事が介護負担の軽減につながる可能性が示唆された.


完全四肢麻痺者の下肢の痙性に立位練習が与える即時的効果
-長下肢装具と起立台を用いての立位練習の比較・検討-

島袋 尚紀 1), 羽田 晋也 1), 中山 奈々華 1), 植田 耕㐀 1), 松木 明好 2), 稲村 一浩 1)
1) 星ヶ丘医療センター
2) 四条畷学園大学
Key Words:立位練習, 痙性 , 完全四肢麻痺
【はじめに,目的】
 脊髄損傷者の理学療法における立位練習の意義としては,消化機能や心肺機能の改善や下肢の拘縮予防等が挙げられるが,臨床においては体幹・下肢の痙性の軽減も経験する.現に起立台を用いた立位練習にて下肢のスパズムの軽減が報告されている(Melanie,2011).一方,立位練習は長下肢装具(以下,LLB)を着用しても実施が可能であり,臨床では LLB を着用しての立位練習の方が下肢の痙性の軽減を経験する.しかし,完全四肢麻痺者において,起立台と LLB を用いた立位練習のどちらが,痙性の軽減に有効であるかを調べた報告は見当たらない.そこで今回,理学療法評価および誘発筋電図による神経生理学的評価を用い,二種類の立位練習が完全四肢麻痺者の痙性に対する影響を調べ,比較,検討した.
【方法】
 対象は,第 7 頸髄損傷で ASIA impairment Scale は B,Zancolli は C6BⅢの 20 歳代男性.受傷日からの日数は 159日,病棟での車いす生活は自立されていた.測定条件は,LLB を着用した立位練習(以下,立位 A)実施後の 1 週間後に,起立台を用いての立位練習(以下,立位 B)を実施し,各立位練習前後で痙性における理学療法評価およびで神経生理学的評価を行った.立位 A では,被験者の後方に治療台を設置し,治療台に両上肢を支持し立位保持を行った.立位 B では,起立台に被験者の膝関節・骨盤・上部体幹をベルトで固定し,角度を 80°まで上昇させ立位保持を行った.実施時間は 10 分間とし,各条件とも介助が必要なく立位保持が可能となるまでは,セラピストが体幹の伸展を誘導した.理学療法評価は,Modified Ashworth Scale(以下,MAS),深部腱反射,クローヌス,ROM 検査,痙性の自覚症状の申告を行った.MAS は,股関節屈曲・外転・伸展,下肢伸展挙上(以下,SLR),膝関節屈曲・伸展,足関節背屈・底屈を計測し,辻らの計測方法を参考とした(辻,2002).深部腱反射はアキレス腱反射,クローヌスは足クローヌスを計測した.ROM 検査は股関節伸展・SLR・足関節背屈(膝関節屈曲位・伸展位)を計測した.痙性の自覚症状としては Penn の痙性スコアを用いた.神経生理学的評価は,誘発筋電図装置(日本光電,MEB-2200 ニューロパック)を用いて右ヒラメ筋 H 反射及び M 波を測定した.測定肢位は,ベッド上腹臥位にて膝関節伸展位・足関節底背屈中間位となるようにクッションと短下肢装具でポジショニングを行った.刺激電極は膝に設置し,脛骨神経に対し刺激時間が 1msec の矩形波電気刺激を 0.3Hz の頻度で負荷し,H 反射振幅,M 波振幅のリクルートメントカーブを解析した.測定された H 反射および M 波の最大振幅値から,H/M 比を算出し,痙性の指標 とした.
【倫理的配慮,説明と同意】
 対象に研究の趣旨を十分に説明し書面にて同意を得た.
【結果】
 立位 A(介入前/後)の MAS は,股関節屈曲 1+/1+・股関節外転 1+/1+・股関節伸展 1+/1・膝屈曲 1/0・足関節背屈2/1+,ROM 検査は,股関節伸展 10°/20°・SLR120°/125°・足関節背屈(屈曲位)10°/25°・足関節背屈(伸展)0°/10°,H/M 比は,47.0%/36.7%,Penn の痙性スコアは 15点であった.一方,立位 B の MAS は,股関節屈曲 1+/1+・股関節外転 2/2・股関節伸展 1+/1+・膝関節屈曲 1/1・膝関節伸展 2/1+・足関節背屈 2/1+,ROM 検査は,股関節伸展15°/15°・SLR120°/120°・足関節背屈(屈曲位)10°/10°・足関節背屈(伸展)0°/10°, H/M 比は 40.9%/43.0%,Penn の痙性スコアは 15 点であった.
【考察】
 今回,理学療法評価および神経生理学的評価を用いて,二種類の立位練習が完全四肢麻痺者の痙性に対する影響を比較・検討した.結果は,立位 B 実施後は,MAS・ROM 検査の足関節背屈のみの改善に留まった.一方,立位 A 実施後は,MAS・ROM検査で下肢全体の筋緊張軽減とROMの増大,H/M 比の改善を認めた.立位 B では,起立台に被験者がベルトで固定されるため他動的な伸張の要素が大きい.一方,立位 A では,肩甲帯・上肢・体幹の残存部を活用して姿勢制御を行うこと中で,痙性筋群である下肢後面の抗重力筋群に持続的伸張が加わったためと考えられる.また立位 A実施後は,脊髄興奮性の指標となる H/M 比の改善を認めた.痙性に対する持続的伸張が,伸展受容器の閾値を上げ,伸張反射の入力を減少させると報告されている(明日,2014).今回,立位練習における下肢後面筋群の伸張性の指標としては,ROM 検査の SLR を用いた.結果では,SLR には大きな変化は認めないが,下肢全体の MAS が改善した.これは,立位練習の実施が,筋骨格系の変化だけでなく,脊髄レベルでの変化も下肢の痙性の改善に影響を与えたのではないかと考えられる.
【理学療法研究としての意義】
 完全四肢麻痺者の痙性に対して,LLB を着用した立位練習の方が有効であることが示唆する報告である.


頸髄不全損傷者の静止立位における前後重心動揺の経時的変化
-周波数解析による検討-

坂元 諒,1) 植田 耕㐀 1)
1)星ヶ丘医療センター
Key Words:頸髄不全損傷, 重心動揺, 周波数解析
【はじめに,目的】
 脊髄不全損傷後は運動麻痺,感覚障害,痙性などの影響により姿勢制御が障害される.静止立位の姿勢制御の評価として center of pressure(COP)は多く用いられており,脊髄不全損傷患者においても信頼性,妥当性が確認されている(Tamburella.2014).脊髄不全損傷者では下腿三頭筋の筋緊張亢進に伴う可動域制限や歩行障害が起きること(Perry.2010)や,健常者に比べ静止立位時の COP の総軌跡長が増大する一方で,下腿三頭筋の機能が関わる前方への最大移動距離が減少する(Lemay.2014)ことが報告されており,脊髄損傷者の姿勢制御には下腿三頭筋の働きが密接に関与することが考えられる.COP の周波数解析は若年,高齢者らの姿勢制御の評価に使用されており(Bizid .2009),周波数帯域を区分することで,各周波数帯域から姿勢制御における情報を得る事ができる(Nagy.2004)と言われている.健常人との比較で,脊損不全損傷者は low,medium,high frequency の全てで高い値を示すと報告されている(Lee.2012).また,高周波数帯域の増加が下腿三頭筋の筋疲労後に観察されたとの報告もあり(Biriz.2009),下腿三頭筋に痙性が観察される脊髄不全損傷者においては,痙性の変化に伴い高周波数帯域が変化する可能性が考えられる.
本研究の目的は,前後方向の COP の周波数解析を用いることにより,脊髄不全損傷者の下腿三頭筋の機能がどの周波数帯域に影響するかを調べることである.
【方法】
 対象は第 5 頚椎椎体骨折により,第 5 頸髄レベル以下の不全麻痺を呈した 20 代男性.初回測定時である受傷後 13週目の状態は ASIA impairment scale は D,ASIA lower extremity score(ASIA LEMS)は 44 で,感覚障害は表在,深部感覚ともに軽度鈍麻であった.歩行能力は Walking Index for Spinal Cord Injury(WISCI)で 13,足関節背屈の他動可動域は左右ともに 5°であった.アキレス腱反射は著明に亢進,足クローヌスも出現していた.
COP の測定は重心動揺計(ANIMA 社製キネトグラビレコーダーG_7100)を用い,サンプリング間隔 100msec で,開眼立位にて 30 秒間測定した.測定は受傷後 13 週目を初回とし,15 週目を中間,19 週目を最終として合計 3 回実施した.得られたデータより前後方向単位軌跡長,前後方向実効値,外周面積を算出した.また,Excel を用いて高㏿フーリエ変換法によるスペクトル解析を行い,0-0.3Hz,0.3-1 Hz,1-3 Hz,3-5Hz の 4 帯域のパワースペクトル密度を算出した.
【倫理的配慮,説明と同意】
本発表に関して説明し,症例から同意を得た.また本発表においては個人情報を特定できる内容は含まれていない.
【結果】
各回(以下初回→中間→最終の順)における ASIA LEMS は(44→48→49),足関節背屈の他動可動域(°)は(5→10→15),WISCI は(13→19→20)であった.アキレス腱反射は最終ではやや亢進,足クローヌスは出現するが程度は軽減していた.前後方向単位軌跡長(cm/秒)は(0.60→0.65→0.48),前後方向実効値(cm)は(0.35→0.36→0.45),外周面積(cm2)は(1.58→1.05→1.72)であった.各周波数帯域のパワースペクトル密度は 0-0.3 Hz は(162→150→195),0.3-1 Hz は(29.3→38.9→46.4),1-3 Hz は(12.6→11.9→7.64),3-5 Hz は(3.24→2.57→2.40)であった.
【考察】
 初回に比べ最終の前後方向単位軌跡長は減少,前後方向実効値,外周面積は増加を示し,周波数解析では,0-0.3,0.3-1Hz の低から中程度の周波数帯域は増加,1-3,3-5Hzの高周波帯域は減少を示した.
本症例の静止立位は安定しており,前後方向単位軌跡長や前後方向実効値,外周面積は変化を認めたが,初回評価の値も健常者の値(Era.2006;Zok.2008)と比較してそれほど大きな値ではなかったため,初回評価時から姿勢制御能力自体はあまり低下しておらず,そのため一定の変化を認めなかったと考えられる.しかし,周波数解析においては,特に高周波帯域の減少を認め,この高周波帯域は下腿三頭筋の筋疲労後に増加すると報告(Biriz.2009)されていることから,本症例の高周波帯域の減少は静止立位中に下腿三頭筋が適切に働くようになった可能性を示している.本症例は下腿三頭筋の筋緊張や足関節可動域の改善も認めていることからも,静止立位中に下腿三頭筋が適切に働くようになった結果として,高周波帯域の減少を認めた可能性は高いと考えられる.
今回一症例での検討であり,Modified Ashworth Scaleや H 反射などの筋緊張の評価と比較出来ていないため,今後症例数を増やし他のアウトカムと比較検討を行っていく必要がある.
【理学療法研究としての意義】
 今回の結果より重心動揺自体は大きく変化していない場合でも姿勢制御戦略は変化している可能性があり,周波数解析を用いることで姿勢制御戦略を評価できる可能性を示唆している.


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