障害者差別事例-名古屋城新天守「エレベーターなし」河村市長、再び見解

名古屋城新天守「エレベーターなし」河村市長、再び見解:朝日新聞デジタルより
名古屋城新天守「エレベーターなし」河村市長、再び見解
関謙次2018年4月24日08時49分

 河村たかし名古屋市長は23日の記者会見で、名古屋城木造新天守のエレベーターについて「普通は、なしです」と設置に否定的な見解を示した。設置を求めてきた障害者らからは、非難の声が出ている。

 河村氏は「前から言っているが、(戦前の天守を記録した)昭和実測図に基づいた木造復元が前提だ。本物の昔の城を再現してくれ、という声も強い」とエレベーターなしの新天守建設に理解を求めた。

 河村氏が懸念するのは、エレベーターの設置で「史実に忠実な復元」にならなくなることだ。市は3月、天守木造化の有識者会議に「4人乗り」「11人乗り」など三つのエレベーター設置案を示したが、いずれも「史実と乖離(かいり)する」と説明した。市によると、設置しても上がれるのは最高で4階までで、最上部の5階には上がれないという。

 市はこの会議で「分身ロボットが見た景観を体験できるVR(仮想現実)施設設置」「事前に日時を決め、補助器具や人的支援で昇降する」「車いす型ロボットやドローンなどの技術開発を待つ」といった代替案を提示。河村氏も23日の会見で、代替案を念頭に「いろんな補助器具をつけてみんなで上がるようにするのも一つの方法。バリアフリーに最善の努力をする」と述べた。

 市は昨年11月、エレベーター不設置の方針を一度は表明したが、障害者の意見を聞いていなかったとして再検討していた。24日、この問題を議論する有識者会議の初会合を開き、5月に結論を出す方針だ。

 昨年7月、市にエレベーター設置を要望した障害者団体「愛知TRY実行委員会」実行委員長の小川直人さん(29)=同市西区=は河村氏の発言について「反対だ。障害者の人権を侵害しているし、障害者の気持ちになって考えてほしい」と批判した。

 自身も車いす生活で、22日もエレベーター設置を求める集会を開いたばかり。市が示したボランティアが障害者を担ぎ上げる案や、VR技術を活用する案には「担がれるのは怖いし、事故があったらどう責任を取るのか。(VRは)実際に見るのとはやはり違う」と指摘。「障害者の意見をふまえないと本当のバリアフリーにはならない」と訴えた。(関謙次)

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