厚労省 輸血で肝炎、女性死亡 献血者シカ生肉食べ提供?日赤はこれまで献血された血液のHEV混入の有無を一部でしか検査していなかった

厚労省:輸血で肝炎、女性死亡 献血者シカ生肉食べ提供? – 毎日新聞より
厚労省
輸血で肝炎、女性死亡 献血者シカ生肉食べ提供?
毎日新聞2018年1月31日 21時05分(最終更新 1月31日 21時40分)

 厚生労働省は31日、輸血用血液製剤で80代の女性がE型肝炎ウイルス(HEV)に感染し、劇症肝炎で昨年死亡していたと明らかにした。血液製剤の供給元の献血者は、シカの生肉を食べたことで感染した可能性があるが、発症していなかった。輸血でHEVに感染し死亡した報告は、海外も含め初めてという。

 HEVは、加熱が不十分なブタや、イノシシ、シカなどジビエ(野生鳥獣の食肉)を食べることで感染する。

 厚労省によると、死亡した女性は多発性骨髄腫の治療で昨年7月、抗がん剤と血液製剤の投与を受け、3カ月半後に劇症肝炎で死亡した。通常、E型肝炎は軽い症状で済むが、抗がん剤の投与で肝臓の機能が低下していたことも影響したとみられる。

 献血事業を担う日本赤十字社によると、2002年以降、輸血でHEVに感染し発症したのは23件。軽症だったケースが多い。日赤はこれまで献血された血液のHEV混入の有無を一部でしか検査していなかったが、今回の件を受けて全ての献血血液に対象を拡大する方針。

 ただ、導入には少なくとも1~2年かかるため、当面は感染の恐れがある献血者には辞退を呼び掛ける。また医療機関に対し、輸血用血液製剤にはHEVを含む感染症のリスクがあることを改めて周知する。

 輸血用血液製剤からのウイルス感染による死亡は、02~05年に計3件、B型肝炎ウイルスが原因で起きた例などがある。【熊谷豪】

ことば「E型肝炎」
 E型肝炎ウイルスを体内に持つイノシシやシカなどのジビエ(野生鳥獣の食肉)やブタなどを、加熱不十分な状態で食べることで感染する。感染は一過性で、ウイルスが体内に定着することはない。症状は発熱や腹痛、黄だんなど。通常は軽症で済み、発症しない場合も多いが、妊婦や高齢者は劇症肝炎になるなど重症化しやすいと考えられている。

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