岡山県議 海外視察報告書使い回し 同じ変換ミスもコピペ

岡山県議:海外視察報告書使い回し 同じ変換ミスもコピペ – 毎日新聞より
岡山県議
海外視察報告書使い回し 同じ変換ミスもコピペ
毎日新聞2018年1月31日 06時30分(最終更新 1月31日 10時52分)

 岡山県議13人が昨年度に公費で実施した海外視察で、ほとんどの報告書に同じ文章が使われていることが毎日新聞の取材で分かった。共通部分には、インターネット百科事典などと同一の記述があったほか、大半の議員が同じ変換ミスをしているケースも見られた。ネットからのコピー・アンド・ペースト(コピペ)や議員間で使い回しをしていた可能性がある。

【ボストン市の概要を説明する視察報告書。その内容は、ウィキペディアの記述にそっくり】
【「作られ珠緒ので」と同じ誤字を記している複数の報告書】
【同じ場所に「地下鉄網]」と不自然な記号が記された複数の議員の視察報告書】
<女性職員に「会いたかった」>日南市長が60人にラインを誤送信
<山形市職員、生活保護女性を飲食に誘いキス>
<下呂市長、朝酒して公務「入浴後、つい」>
<オンブズ香川が旅費返還で提訴>20県議に3406万円
<寂聴さんに動物行動学研究家も加わった“議員の不倫”考>
 岡山県議会の定数は55で、この海外視察には▽自民11人▽民主・県民1人▽無所属1人が参加。2016年11月、米国のワシントンDCやニューヨーク市、ボストン市などを10日間の日程で訪問し、視察報告書をそれぞれ県議会事務局に提出した。視察には公費が充てられ、計約1446万円が支出された。

 報告書は公開されておらず、毎日新聞が情報公開請求で全約1600ページを入手した。内容は▽州や市の概要▽観光施設の紹介▽大使館公使らの講義メモ▽議員の感想--などだった。

 13人のうち11人は「感想」以外の半分以上が同じ文章で、全体的に独自の表現を用いていたのは1人だけだった。また、10人は「コレクション」とすべきところを「これ区書」と記し、11人は「作られたもので」とすべきところを「作られ珠緒ので」と書くなど、同じミスをしていた。

 さらに、州や市の概要、観光施設の紹介についてはネット百科事典「ウィキペディア」や旅行代理店のサイトなどと同一の表現が複数見られた。

 例えば、9人はボストン市に関する約800文字の説明が全く同じで、ウィキペディアにもほぼ同じ文章が載っていた。この9人の報告書には「アメリカ最初の地下鉄網]などが生まれた」と文中に不要な記号があるが、ウィキペディアの該当部分を確認すると、「地下鉄網[12]」と注釈が付いていた。サイトからコピペした際、注釈を消し忘れた可能性がある。一方、いずれの報告書にも引用元を示す記載はなかった。

 毎日新聞の取材に対し、複数の議員が他の議員からもらった原稿を報告書に使ったり、ネットの文章を参考にしたりしたことを認めた。理由について「時間の節約になる」と答えた議員もいた。

 また、13人は取材への回答として連名の文書を出し、「報告書をまとめる際は、公表された事実を織り交ぜて作成するのが通例で、引用は許される。報告書作成について明文的ルールはなく、ルール違反の問題が生ずることはない」との見解を示した。【竹田迅岐】

「丸写し」各地で問題に
 議員の視察報告書を巡っては、インターネットからの丸写しなどが各地で問題となっており、報告書の修正や謝罪に追い込まれるケースが相次いでいる。

 福岡市議会では2012年、英国やスペインを視察した4議員が、書籍やネットから文章を写して報告書を作成。発覚後、議員らは出典元に謝罪するとともに、出典を記した修正版の報告書を再提出した。北海道議会でも09年、韓国視察をした6議員が報告書の大半をネット上や資料からの書き写しで済ませ、問題化した。

 海外視察が観光目的だったとして、費用に充てられた政務調査費(現政務活動費)の返還を命じる判決も出ている。東京高裁は17年4月、山梨県議11人が13年にフランスを訪問した際の視察報告書について「具体性に乏しく、視察の必要性や合理性は認められない」と判断。視察に充てられた政調費のうち約550万円を県議に返還させるよう県に命じた。

観光旅行化の表れ
 新海聡・全国市民オンブズマン連絡会議事務局長の話 議員視察は、調査の必要性があるからこそ行くものだ。報告書の内容の多くがインターネットの文章とほぼ同じなのであれば、視察が観光旅行化していることの表れで、視察に行く必要はなかったのではないか。また、ネットに出ている文章が「公表された事実」だとして、著作権がないということはあり得ない。引用元を記さなければ、原則著作権法違反になり、刑事罰や損害賠償の対象になる可能性もある。

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