紹介状なしの受診、定額負担求める病院が増加 4月から:朝日新聞デジタルより
紹介状なしの受診、定額負担求める病院が増加 4月から
水戸部六美2018年1月25日05時00分
紹介状なしで受診した場合、初診時に5千円以上、再診時に2500円以上の定額負担を求められる病院が4月から増えることになった。厚生労働省が定額負担を義務づける病院を今の500床以上から400床以上に拡大する方針を決めたためで、対象は約260カ所から約410カ所へと1・6倍ほどになる。
中央社会保険医療協議会(厚労相の諮問機関)で24日、了承された。大病院は患者が集まりすぎ、待ち時間が長いなどの問題が指摘されてきた。大病院が重症患者の治療に専念できるように診療所との役割分担を図ろうと、2016年度から診療所などが作成する紹介状なしで大病院を受診した場合、患者は1~3割の窓口負担に加えて定額を負担することになった。
今の対象は、高度な医療を提供する大学病院などの「特定機能病院」と、地域医療の拠点となる「地域医療支援病院」のうち500床以上の病院。厚労省によると、制度導入後に紹介状なしの初診患者が3%ほど減ったという。
厚労省は一定の効果があると判断し、対象を400床以上500床未満の地域医療支援病院約150カ所にも広げる。今も200床以上の病院は紹介状がない患者から特別料金を取ることができる。初診時には多くが2千~3千円を徴収していて、実質の負担増は2千~3千円ほどになる。
近くに診療所がなくて大病院に直接行くしかない地域の患者や、救急患者らは負担しなくていい。自治体による条例制定が必要な公立病院には、10月までの導入を求める。(水戸部六美)
◆4月から紹介状なしの受診で定額負担対象となる病院の例
病院名(所在地) 病床数 今の初診時の特別料金(税込み)
KKR札幌医療センター 450 3240円
(札幌市)
立川病院 450 4860円
(東京都立川市)
広島西医療センター 440 2700円
(広島県大竹市)
白十字病院 466 4320円
(福岡市)