辺野古沖ジュゴン保護裁判、米で公開審理へ 来年5月

辺野古沖ジュゴン保護裁判、米で公開審理へ 来年5月 – 沖縄:朝日新聞デジタルより
辺野古沖ジュゴン保護裁判、米で公開審理へ 来年5月
編集委員・野上隆生2017年12月24日11時10分

 沖縄県名護市辺野古沖のジュゴン保護を求め、米国で争われている「ジュゴン裁判」が、来年5月、カリフォルニアの連邦地裁で公開で審理されることになった。サンフランシスコの控訴裁判所が今年8月、原告の主張の一部を認めて連邦地裁に審理を差し戻していた。

 米側原告で、数多くの環境保護裁判を起こしている全米屈指の環境NGO「米生物多様性センター」と、日本側原告の「日本環境法律家連盟」の代表が沖縄を訪れ、明らかにした。

 ジュゴン裁判は、米軍普天間飛行場の移設先である辺野古の沖に生息するジュゴンの保護を求め、米国防総省を相手取って提訴された。

 原告側が差し戻し審でカギになるとみているのが、米国家歴史保存法だ。この法律は、米国外の文化財についても、悪影響を避けたり、緩和したりする義務を米国政府に課している。日本の文化財保護法に相当し、文化財保護法で天然記念物に指定されているジュゴンは、米国家歴史保存法の保護対象となる。

 原告側は、辺野古の基地建設が沖縄のジュゴンに影響を与えていると主張。基地建設は日米両政府の共同行為であることから、米政府が米国家歴史保存法に違反していることの確認と、工事を止めるために、米側が日本政府に出す辺野古沿岸部への立ち入り許可の差し止めを求めている。

 米国家歴史保存法は、関係者間で協議する必要があると定めており、原告側は今後、沖縄側の利害関係者や専門家らとの協議を米国防総省側に求めていく。

 米生物多様性センターのプログラムディレクター、ピーター・ガルビン氏は「集中的に闘う重要な局面を迎えた。今回初めて、米国政府と沖縄の人々が平等な立場で話し合うことになる。この協議や裁判の審議を通じて、工事を中止に追い込みたい」と語った。

 米国防総省はこれまで、日本政府の主張に沿って「保護措置はとっており、ジュゴンへの影響はない」と主張してきた。

 裁判は2003年に米カリフォルニアの連邦地裁に提訴された。15年には、違法確認の請求に対して「原告適格がない」、差し止め請求も、政治問題を理由に「工事中止を命じる法的権限がない」として却下の判決が出た。控訴審では一転して原告適格を認め、差し止めも「政治的な問題ではない」と判断。連邦地裁に差し戻し、国防総省の行為が違法かどうかを判断するよう求めた。(編集委員・野上隆生)

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