欧州大手メーカーのフルフラットバス 東京で来秋導入へ やっとバリアフリー加速

フルフラットバス:東京で来秋導入へ バリアフリー加速 – 毎日新聞より
フルフラットバス
東京で来秋導入へ バリアフリー加速

毎日新聞2017年11月24日 11時01分(最終更新 11月24日 11時59分)

 東京都は2018年秋にも、床に段差のない都営バス「フルフラットバス」の運行を始める。公募で決まった欧州大手メーカーが新たに製造する29台を導入する。都交通局によると、路線バスに「フルフラット」を導入するのは国内で初めて。20年東京五輪・パラリンピック開催を見据えて公共交通のバリアフリー化を加速し、車内での事故防止や混雑緩和につなげる。

 都営バスは現在、1464台の全車両で乗降口に段差のない「ノンステップバス」を採用しているが、変速機などが車体後部の床下にあり、後方に移動するには通路の段差を上る必要がある。このため混雑時は前方に乗客が集中し、足腰の弱い高齢者や車椅子利用者は移動しづらい。急停止時に段差で転倒する恐れもあり、安全面でも課題となっていた。

 同局によると、フルフラットバスは英国やフランスなどで普及しているが、車両の幅が日本の保安基準(2.5メートル以下)を超えるため、導入に向けてはバスメーカーが日本仕様に構造を見直す必要があった。車両はスウェーデンに本社を置く欧州大手のトラック製造業者の日本法人「スカニアジャパン」(東京都港区)が新たに設計。29台(計約10億円)を来年11月にも納入する。

 後部床下にあるギアなどの配置を車両最後部に集約することで、平らな床面を1~2割広げることを想定している。スカニア社によると、定員約50人、座席数24席は現行のバスとほぼ変わらない見通し。担当者は「安全で快適、人にも環境にも優しい世界水準のバスを体感してほしい」と話している。

 国土交通省によると、国内路線バス約4万5000台の約半数の2万2665台(15年度末現在)がノンステップバスで、20年度までに全体の7割への普及を目指している。同省担当者は「フルフラットバスはまだ国産車がなくコスト面が課題。都の取り組みを見守りたい」としている。路線バスの事故は、15年の1年間に全国で計1443件の報告があり、乗客の転倒などの車内事故は205件あった。【森健太郎】

競技場や駅で改修進む
 東京大会を目指し、都は競技施設や交通機関などのバリアフリー化を急ピッチで進めている。

 東京大会の新設競技場第1号として、今月25日にオープンする「武蔵野の森総合スポーツプラザ」(東京都調布市)は、車椅子席を従来計画の1席から69席に増設。前席の観客が立ち上がっても車椅子観戦者の視線が妨げられないように工夫されている。また、来年度に改修工事に着手する卓球会場の東京体育館(渋谷区)と水球会場の東京辰巳国際水泳場(江東区)も、車椅子対応トイレや観客席、スロープなどを増設する。

 都営地下鉄でも、メイン会場として建設中の新国立競技場の最寄り駅となる大江戸線国立競技場駅(新宿区)などでエレベーターを増設。駅構内のトイレを和式から洋式に取り換える。

 また、千代田区や渋谷区など競技会場がある自治体は、企業と協力してスマートフォン向けのバリアフリーマップを作製。段差や傾斜、道幅など通行に注意が必要な情報や、障害者用トイレの場所などをインターネット上(https://accessibility.2020.ntt/walkmap/)で紹介している。【柳澤一男、大迫麻記子】

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