障害者雇用 補助金目当て/触れ合いの場…岡山で考える会

障害者雇用:補助金目当て/触れ合いの場…岡山で考える会 – 毎日新聞より
障害者雇用 補助金目当て/触れ合いの場…岡山で考える会
毎日新聞2017年11月17日 09時17分(最終更新 11月17日 09時17分)

会の冒頭で「ともにあじさい問題を考えたい」と参加者に呼び掛ける発起人。右が多田さん=岡山県倉敷市笹沖で2017年11月15日、小林一彦撮影

 岡山県倉敷市と高松市で就労継続支援A型事業所を運営していた「あじさい」グループが事業所を閉鎖して障害者を一斉に解雇した問題を受け、「あじさい問題を考える会」が設立された。15日夜に倉敷市内で設立集会があり、障害者雇用の在り方について意見を交わした。同会は今後、あじさいグループで起きた問題の原因や背景を探り、障害者の就労支援に生かすことを目指す。【小林一彦】

 同会は、就労支援に関わるNPO法人の関係者や弁護士ら4人が発起人となって設立された。事務局をNPO法人「岡山マインド『こころ』」(倉敷市)に置き、隔月のペースで意見交換会や勉強会を開く予定だ。

 この日の設立集会には、市内外にある就労継続支援事業所の関係者や利用者ら約70人が参加し、あじさいグループの事業所の問題点について意見を出し合った。仕事内容は果物を入れる包装ネット作りやダイレクトメール封入といった軽作業が中心だったとし、「利用者に最低賃金を支払える収益が見込める事業ではなかった。市はきちんと指導・監査していたのか」との批判が出た。また、利用者を集めるために事業所が「入所祝い金3万円」と盛んにPRしていたことを挙げ、「とにかく利用者を集め、短期間に補助金をたくさん受け取るのが目的だったとしか思えない」とする意見も多く上がった。結果として、障害者を一般就労につなげるステップとなるべきA型事業所の役割を果たせず、軽作業ばかりさせて能力が伸びる可能性を奪ったとする指摘も出た。

 一方、長く引きこもりだった人が働くようになったり、事業所で仲間ができた人もいたりしたといい、触れ合いの場になっていたとの意見も。「なぜA型事業所が障害者の『居場所』にならざるを得なかったのか、原因も考える必要がある」と話す人もいた。

 A型事業所には国や自治体から補助金や給付金が出るため、補助金目当てで実質的な事業をしない事業所もある。こうした事業所を締め出すため、国は今年から、利用者に最低賃金以上を支払える収益を確保することを強く求めるようになった。この点について、設立集会では「収益確保のため無理をする経営者も出る」「あじさいのように閉鎖・解雇する事業者が今後も続く可能性がある」と懸念する声も上がった。

 発起人の1人で、「岡山マインド『こころ』」の多田伸志代表理事は「新たなまちづくりにつながる提言ができる場になれば」と話している。問い合わせは多田さん(090・4653・1150)。

ことば「あじさいグループの障害者解雇」
 倉敷、高松両市で就労継続支援A型事業所計7カ所を運営していた一般社団法人「あじさいの輪」などのあじさいグループ(倉敷市)が7月末、7カ所を一斉に閉鎖し、雇用していた障害者283人を解雇した。障害者は行き場を失い、いまだに再就職が決まっていない人も少なくない。県は、あじさいの輪に対し、再就職のあっせんが不十分だとして2度にわたって勧告を出している。

関連記事Similar Posts:

カテゴリー: 気になるニュース, 社会的事業所(ソーシャルファーム) パーマリンク