過去の雑記 2007年

過去の雑記 2008/01~2009/11

2007年の雑記

2007.12.24 別府の花火-クリスマスHANABIファンタジア
クリスマスHANABIファンタジア-冬の祭典実行委員会クリスマスHANABIファンタジア-冬の祭典実行委員会
ゆっくりと花火を見たのは10数年ぶりになる。去年のクリスマスの花火は車椅子の降車時刻が18:40で音だけしか聞けなかったし、夏の花火は降車時刻は20:40になったけど、花火の開始時刻の20:30には移動やトイレとかで慌しくて、これまた見れずに音だけ。見れないと見たくなるのが人情で、今回は見る気満々で待機していた。しかし、真冬でも開始時刻が20:00というのは遅過ぎる気がする。
遠くからなので、開いて7秒遅れで音が伝わってくるのが遠雷を想わせ、真冬という事もあって、どこか寂しげな感が一瞬過ぎるが、今風の派手で凝った玉を見ると思わず「すげぇ」と心に灯がともる。
心残りは1発目の開く瞬間をよそ見して見逃したのと、フィナーレが時間切れでまた音だけ。(2008.01.20)
2007.10.20 初めての御使い
 歯磨き粉が無くなりそうになった。T字カミソリも残り少ないはず。今まで何でも人に頼んで買ってもらっていたけど日用雑貨くらい自分で買えずに何とする。秋の日差しが柔らかい風ものたりとした土曜の午後、絶好の外出日和だ。電動車椅子の、♪バッテリーもビンビンだぜ♪ドラッグストアの場所は「六角温泉に向かって坂を上って橋を渡って左に曲がった突き当たり」と聞いている。
躊躇無くセンターを出て六角温泉に向かって坂を上っていく。(地図中の赤線参照)
住宅地にしては車がよく通る。街路樹の桜の木を避ける為に車が来ない時を見計らって車道にはみ出さなければならない。路肩の白線が消えかけているくらいの舗装で路面の凹凸がもろに身体に響いてくる。あ!路肩にセンターでも咲いていたハマナデシコが咲いている。栽培してたんじゃなくて自生してたんだ。ハマベノギクも咲いている。(2007.12.9)

と小さな発見に気分をウキウキさせて車椅子のキャスターのウキウキを気にせず進むと、六角温泉の六角形のロータリーに突き当たってしまった。
「ん?もしかして橋へ続く道を通り過ぎたのか?」
「Uターンは怖いから取り敢えず右に行ってみよう。」
右に進んだ1つ目の角で止まって右に下っている道の先を凝視する。道の突き当たりには民家しか見えなくて橋に続いているのかどうか判らない。人か車でも通れば判るんだが全然通らない。舗装はもっと悪くアスファルトから砂利が露出している。川沿いの住宅地には袋小路が多いので、こんな道を行ったり来たりはしたくない。暫したたずんで出した結論は、
「山で道に迷った時のように見晴らしの良い所に上ってルートを確認しよう!」
だった。正解は「引き返す勇気を持とう」と知ってた筈なのに・・・。
左のロータリーを廻って坂を上っていくが、奈落の底へ落ちていくのだった。(2007.12.16)

六角温泉のいわれはこちらを参照→六角温泉 – ふるさとガイド – 元気な大分

上っていくと南北に走る2車線道路に突き当たった。前には広い公園が広がっていておじいさんが犬を散歩させている。交通量は多く路線バスも走っている。右を見るとちょっと行った所に橋が見える。境川に架かった橋なら間違いなく眺望が良く目的地までのルートは一目瞭然。ただ交通量が多い。道の向かい側には歩道があるが段差があるので上れない。こちら側は橋には路側帯もなく車が通れば人が横に向いて避けないといけないくらいの幅しかない。とにかくここまで来たらもう行けるところまで行くしかない。恐る恐る橋に向かって進んでいく。
いよいよ橋のたもとに到着する。下流には境川からの眺望が眼下に広がる。別府の市街地、別府タワー、高崎山、別府湾を挟んで大分市の市街地からその先の工業地帯まで見通せる。しばし景色を楽しんだ後、目的地のドラッグストアらしき建物を探すと、向こう岸の川沿いに鉄板屋根で窓の小さい倉庫の様な建物がある。きっとこれに違いない。川の上流は西別府病院の広大な敷地が広がっているので、それ以上の上流では電動車椅子で行ける限度を超えている。橋を渡って少し下ればいいだけのようだし、もし間違っていても下りながら探せばよい。これはもう行くしかない。

境川からの眺望と現在の新六角温泉はこちらを参照→またもや組合員専用【新六角温泉】 20070715  – 湯の町天国  B E P P ~ U ♪ 

橋を渡るタイミングをうかがう。バスが停留所に停まっているので通過するのを待つ。次にバスから降りた御婦人が橋を渡ってくるのですれ違うのを待つ。橋の向こうには信号が見える。信号が青になって曲がってくる車が信号で停まり、前から来る車が途切れた今がチャンス。と、焦れば固まる身体にめげずに橋を渡りきり路肩で一息。橋を渡った辺りはバス停がある為か歩道があるのと喫茶店の駐車スペースがあってゆっくりできる。後は信号を右に曲がって坂道を少し下るだけだ。
一息ついて、信号を右に曲がっ・・・。
曲がれない・・・。
道は2車線道路で両側に歩道が付いていて歩行者に優しい造りになっている。しかし、その歩道が困ったもので、幅が1mそこそこくらいで、車道に向かってかなりの傾斜が付いている。おまけに下り坂。電動車椅子は下り坂の場合、操作レバーを離しても慣性で数十センチくらい進んでしまうので余裕が必要。トライしてみて無理と分かってもUターンできそうにない。車道に落ちれば車に轢かれる前に頭を強打して命が危ない。
道の向こう側の歩道も同じ様に幅が狭くて傾斜している。いっそ車道を走ろうかと思ったが歩道があるので車道が狭いし交通量が多くて、おまけに信号があるので車道に下りるタイミングがない。曲がり角に近付いては引き返し、また近付いては引き返しを3、4回繰り返していて誰かが見てたら思いっきり挙動不審だったにちがいない。おまわりさんを呼ばれたら困るので早く決断しないといけない。これはもう行くしかない。
いやいやいや、歯磨き粉とT字カミソリに命を懸けたくない。ここまで来ただけでも話のネタになるだろうし、西別府病院への道が分かったので人に尋ねられても答えられる。きっと何か有意義であるに違いない。そう固く信じてさっき渡った橋へとUターンした。(ここまでが地図中の赤線でここからが緑線参照)(2007.12.29)

戻る時は道の左側を通るので前から車は来ない。橋を渡るにも前から歩行者さえ来なければタイミングなんて関係ないので振り向かずに一気に渡りきる。来る時は初めての自力での外出の緊張感と、夢と希望に満ち溢れた興奮が入り混じった状態で、時間も距離も気にならなかったが、思えば遠くに来たもんだ。溜息一つ吐き出して、まだ日は高いし目的地は分かっている。戻って道を確認してからでも出直す時間がありそうだ。と考えながら進むと左に下る道がある。幅は広くないが若干左前方を向いている。下から上ってきた時にその道に繋がってそうな道があったかし、ほんの数メートルのショートカットにしかならないだろうけど、意気消沈した今はその数メートルにすがってしまう。車も通らないようなので気にして道の端を通らなくてもよさそうだ。吸い込まれるように左に曲がって進んでいく。
一つ目の辻に着いて右を見ると何故か上り坂になっているしショートカットになってないように見える。パスして進んでいくとだんだんと路面が悪くなっていくではないか。場所によってはアスファルトが流出し侵食されて、もはや舗装とは呼べないような、渓谷のミニチュアが広がっているようにさえ見える。(2008.01.02)

「急ばが廻れ」という言葉が頭をよぎったが「後の祭り」で既に悪路の真っ只中。キャスターがはまらない様にある程度のスピードを保ちつつコースを見定めながら、振動で身体が拘縮(痙縮)してしまうのに耐えながら進んでいく。いよいよ突き当たりに到着すると道を横断した溝があり、それに架けられたスチール製の溝蓋(グレーチング)の目が思いっきり粗い。最後の難関である。直角に渡ったりスピードが遅いと確実にキャスターがはまってしまう。渡った向こう側の路面を確認して45度の角度でフルスロットルで(といってもやや遅めに歩く程度の速度しか出ないけど)溝蓋に突進する。・・・心配するほどでもなく、思ったよりあっさり渡れた。
ここから右に曲がって緩い上り坂。さっきの辻に比べてショートカットになっている。苦労が少し報われた気分に浸りながら坂を上って、六角温泉から来た道に合流。ここを左に曲がればすぐそこに六角温泉が・・・。
遠くに見える。今更ながらよくもまあ後先考えずに来たもんだ。渓谷のミニチュアを越えてきた苦労が報われたのか微妙な気分になってしまう。
微妙な気分のまま六角温泉のロータリーに到着する。さて、ここでどちらに進もうか。右に進むとロータリー1周、左に進むと来るときに悩んだY字路の角に出る。まだ陽は高いのでドラッグストアへチャレンジする時間はありそうだ。ロータリーを1周したという達成感は捨て難いが、ほとんど路面しか見つめてないので意味がない。1周分とちょっと行けばいいだけなのだが、気持ちが沈んでいるとこんな些細な事で悩んでしまう。ロータリー1周は今日でなくてもいい訳だし、ここは今回の目的であるドラッグストアを目指そう。左に進んでY字路に向かう
Y字路に着いて来る時に躊躇した道へと今回は躊躇なく左に曲がる。人生にとって無駄な事は一つも無い、ただ少し遠回りしただけだ、なんて言葉を何処かで耳にした記憶があるが本当にその通り。砂利が露出した道だが、さっきの渓谷のミニチュアに比べたらどおって事はない。苦労は報われるんだ。一つ目の辻に着いて左の川の方を見る。橋は無く行き止まりのようなので、直進する。いよいよ突き当たりのT字路に着いて左の川の方を見る。すぐ目の前に橋があった。
太鼓橋を模した中央部が無駄に高くなっていて車椅子に乗った障害者の体力増進に役立つような、または嫌がらせかとも思える橋だったが、今はとにかくドラッグストアに続く希望に満ちたレインボーブリッジである。
橋の手前にはまたしても目の粗い溝蓋が横切っている。しかし、さっきの溝蓋を渡ってきた経験を生かして斜めに渡って橋を上っていく。橋の中央部はそこから景色を観てくださいという感じの半円状の出っ張りがある。せっかくなので、しばし境川からの景色を眺めて一息。ゆっくりしたいところだけど休み過ぎると疲れが出てきそうだし、この先何があるか分からないので橋の向こう側へと下っていく。
橋を渡って慎重に進んで初めの辻に近付いていく。上から見た時に確認したとおりなら左手にドラッグストアが見えるか、人通りがあってその気配くらいは感じられるはず。辻に着いて左を見る。上り坂の少し遠くの突き当たりにフェンスが見える。民家のフェンスではないようだし、車が出入りしている。これはもう憧れのドラッグストア以外に考えられない。
左に曲がっていよいよ最後の上り坂であるが、これがまた微妙。砂利の露出は少なかったが、パッチワーク状の舗装になっていて、車がスピードを出せないようにしているのかと思うくらいの凹凸がある。ただ道の両側の1m弱だけが継ぎ目が無く、ここを通るようにという感じになっているので、そこを通るしかない。道の端のギリギリを通ってるので電柱に肘を擦りながら、門から誰も出てこないのを祈りつつ一気に上っていく。(2008.01.11)

ついに突き当たりのフェンスに到着して目線を上げると、憧れのドラッグストアとその駐車場が広がっていた。一直線に入り口に向かい自動ドアから中に入る。
今日買う物は歯磨き粉とT字カミソリ。ここに来てやっと運が巡ってきた。歯磨き粉の棚は入った正面にあった。自分の使っている銘柄の場所を確認。T字カミソリは・・・その棚の裏に6本入りの徳用の「切れてない!」があった。あとはこれらを店員さんに取ってもらってレジを通せばいいだけ。店員さんを見つけて近付いて、
「歯磨き粉のGUM(ガム)取ってください」
と声を掛けると、さっき自分で確認した棚と逆の方向へ早足で歩いていく。あれっ、と思いつつ特売になっていて「エンド」にも置いてあるのかと付いていき、 「こちらで宜しいでしょうか」
と店員さんが指差す先を見ると、そこにあったのはキシリトール・ガム。
「いや、歯磨き粉のGUM(ガム)」
と歯磨き粉を強調して繰り返しても「ガム」しか聞いてなくて、「歯磨き粉」という商品名のガムを探してる様子。埒が明かないので、自分で先導して「右端の下から3段目」と場所だけ言って歯磨き粉を取ってもらう。続いてT字カミソリを取ってもらってレジを通せばミッション完了となるのだがそれではあまりに味気ない。ここにたどり着くまでの苦労が報われない。という事でキットカットの徳用袋を1つ取ってもらってレジを通して店を出る。(2008.01.12)

(ここからが青線参照)
上ってきた坂を下っていくが、やっぱり下りの方が怖くて身体が硬くなってしまう。それに、来る時は車2台と人1人と擦れ違っただけの人通りの少なかった道に何十人もの中学生が上ってきていて、喋りながら歩いてるので、ぶつからないように一旦停止しながら進まないといけないので、思いのほか疲れる。丁度下校時刻だったらしく中学生が途切れる事がなかった。
どうにか橋までたどり着いたので景色を眺めて一息。橋を渡って来た道を右手にして道なりに進んで左側の草地から雑木林に移行しかけている空地を見ると、その先に見覚えのある建物が見える。今進んでる道は殆ど毎日、その建物の中から見かける隣の筋の道じゃん。「六角温泉に向かって坂を上って橋を渡って左に曲がった突き当たり」と聞いていたと思ったが、
「六角温泉に向かって坂を上って『すぐ右に曲がって突き当たりまで行って』橋を渡って左に曲がった突き当たり」
の『』の部分が欠落していたようだ。そういえば若い時、研修で横浜に行って待ち合わせ場所に行くのに駅から道を電話で問い合わせた時も5分かからない距離に20分以上かかって、土砂降りの雨でずぶ濡れになった事を思い出して、天気は相変わらずの晴天なのに心はずぶ濡れになってしまった。
ずぶ濡れの心が乾く間もなくゴールイン。14時頃に出発して16時半に帰宅。2時間半で往路1.6km、復路0.5kmの初めての御使いだった。

おまけ・・・2時間位、短髪の頭に直射日光を浴びたおかげで10日間くらい日射病になってしまった。(2008.01.14)

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