「視聴者に応分の負担金いただく」 NHK会長一問一答 受信料は対価でなくて負担金なんだ?!

「視聴者に応分の負担金いただく」 NHK会長一問一答:朝日新聞デジタルより
「視聴者に応分の負担金いただく」 NHK会長一問一答
2017年7月27日23時36分

上田良一NHK会長=東京都渋谷区、池永牧子撮影
 就任から半年を迎えたNHKの上田良一会長(68)が27日、朝日新聞、毎日新聞、産経新聞の共同インタビューに答えた。2019年の実現を目指すインターネットでの番組同時配信などの経営課題や、政治との距離について聞いた。

 ――受信料制度等検討委員会から、同時配信の負担のあり方について答申が出た。NHKの考えはいつ示すつもりか。

 公平負担のあり方や受信料体系に関しては議論が継続しており、その答申は9月上旬から中旬くらいになるのではないか。横にらみにしながら、まさにできるだけ速やかにNHKとしての考え方を出していく。

 ――総務省の有識者会議では負担のあり方について、将来的に「受信料型」とする考えを示した。どこまで踏み込むのか。

 受信料型は一つの選択肢で、すぐにということではない。私に突きつけられた最大の課題は、放送と通信の融合という劇的な環境変化の中で、NHKが「公共放送」から「公共メディア」へと、いかにスムーズに転換していくか。視聴者にNHKが情報の社会的基盤として必要だという認識を持ってもらい、応分の負担金をいただく。

 最後は私が決めるが、役員の間で共通理解を作り、それに基づく戦略のベクトルを合わせていく。みなでNHKの立場を納得いただけるアプローチをしたい。速やかにやるが、もうしばらく時間がほしい。

 ――同じ会議では、「将来的には同時配信を本来業務としたい」という発言があった。

 一番大事なステークホルダーは、視聴者、国民。情報提供のツールが多様化する中で期待されている役割が果たせるようにするには、電波を通じた放送だけでなく、インターネット、あるいは通信の世界なしではできない。

 ただ、あくまで幹は放送だ。放送を幹にして、補完的に視聴者・国民にとって公共的価値をいかにして最大限に提供するかを考えている。

 ――予算は全会一致で国会承認された。籾井勝人会長時代に崩れていた。政治との距離で難しさを感じることは。

 公共放送として、すべての政党からの支持を得た上での承認が望ましい。就任した日から、全会一致での予算承認にむけて努力してきた。国会でも政治との距離に関しては、自主自律の堅持、公平公正、不偏不党と何度も答えている。

 公共放送の原点に回帰しながら自分たちのやっていることをチェックすることは現場にもお願いしたいし、私自身もその観点からやっている。

 ――公平公正と言い続けているが、半年経ち、実践ではどうか。

 振り返ってみても、いくつか大きな、異なる意見が出てきそうな案件があった。それをどういう形で報道したかに関しては、公平公正、不偏不党の原点に戻ってどうか、現場にもお願いしているし、私もレビューしながらやっている。

 ――加計学園を巡る問題では、前川喜平・前文部科学次官が会見で「NHKが収録したインタビューを放送していない」と言及した。放送する考えはないか。

 個別の編集判断や取材の過程はお答えできない。番組やニュースについては、報道機関としての自主的な編集判断を持ち続けていたい。ご指摘があったニュースに関連してもNHKの独自取材によるものも含め、随時我々の編集判断で情報提供している。今後も公共放送として、視聴者、国民の興味関心、または民主主義の発展に寄与する役割は報道機関としてしっかり務めていきたい。

 ――この問題では、5月16日に先んじて文科省の内部文書を報じながら「官邸の最高レベル」という部分を黒塗りした。現場に任せるというが、政権への忖度(そんたく)が指摘されている。NHKのイメージに関わる問題ではないか。

 任せるといっても、勝手にやっていいと言っているわけではない。現場には、ちゃんと公共放送の原点で自主自律を堅持しなさい、と。編集判断はあなたがたの判断でいいが、公平公正、不偏不党、これは踏み外してはいけないし、明らかにその範囲を逸脱すると私が思ったときにはもちろん動く。

 ――今回の件では会長として動いたのか。

 少なくとも、公平公正、不偏不党の観点からしっかりと現場で対応して欲しい、ということは言った。それ以上は言っていない。現場が持っている情報量は全然違って、しかも刻々入ってくる情報を流している。現場の判断は尊重している。

 ――一方で、7月10日の閉会中審査を扱った「ニュースウオッチ9」では、加戸守行・前愛媛県知事の発言時間は短く、前川前次官の発言を長く使ったという指摘もある。不偏不党の考えからバランスをどう感じるか。

 私のコメントは立場上控えるが、色々な意見には真摯(しんし)に耳をかたむけてうけとめる。正直言って、色々な意見がある。そういう意見があることは重々承知しているが、そうでない意見ももちろんある。

 ――改めて、就任から半年の感想を。上田カラーは出せているか。

 まずはなんといっても、予算の全会一致が達成できた。それと並行して、公共放送から公共メディアへの転換という最大の課題に取り組んできた。通信と放送の融合という環境の中で公共メディアとしてのNHKの立場を確立する。

 民放との二元体制の中では、民放の理解も必要。民放に対してはできる限りのアプローチをして、意見交換をしながら進めてきている。

 同時に、単にコンセンサス経営というだけでなく、フェース・トゥー・フェースで向かい合って、私の考えを私の口からじかに話す。6月に局長級の人事をやった後、53局すべての局長と意見交換し、飲んだ。関連子会社の社長全員と意見交換している。NHKグループとして一つの経営方針のもとに一緒にやれるようにベクトル合わせをやっている。

 私の引き出しには、写真入りのファイルが入っている。誰か尋ねてくると、後からでもそれを見て、できる限りそれぞれの人に関心を持って覚えていくという努力はしている。カラーと言えるかわからないが。

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