大飯原発:使用済み核燃料どこへも出せない 保管施設、7年で満杯

大飯原発:使用済み核燃料どこへ 保管施設、7年で満杯 – 毎日新聞より
大飯原発
使用済み核燃料どこへ 保管施設、7年で満杯
毎日新聞2017年5月24日 22時37分(最終更新 5月24日 23時06分)

 関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)が24日、原子力規制委員会の安全審査を正式にクリアし、関電が審査を申請した大飯、高浜、美浜の3原発7基(いずれも福井県)は全て新規制基準に適合した。今後、再稼働が進む見通しだが、稼働すればするほど使用済み核燃料は増える。関電は3原発がフル稼働すれば、約7年で保管プールが満杯になると見積もっており、使用済み燃料の行き場が今後の課題となる。

 使用済み燃料は、原発内のプールで冷却しながら保管されている。保管プールの貯蔵割合(4月末現在)は大飯と高浜が約71%、美浜が約63%に達している。関電によると、審査未申請の大飯1、2号機も含めた関電の原発全9基が稼働した場合、年間約370体の使用済み燃料が発生する計算で、約7年でプールの容量は限界を迎えてしまう。

 全国の原発も同じ状況で、平均で貯蔵容量の7割に迫っている。使用済み燃料は、青森県の再処理工場に運ぶことになっているが、同工場は相次ぐトラブルなどで完成が延びている。それに加え、同工場には稼働を見込んで既に使用済み燃料が運び込まれており、貯蔵量も満杯に近づいている。

 保管場所確保のために「中間貯蔵施設」建設の構想があるが、候補地は決まっていない。また、再処理後に出る高レベル放射性廃棄物の最終処分場についても国が用地選定のための議論を進めるものの、結論が出る見通しは立っていない。

専門家「刹那的な政策」
 広瀬弘忠・東京女子大名誉教授(災害リスク学)は「原発から出るごみの問題は、処理の方法も場所も見通せない。日本は地震も多く、最終処分場を造れるかも疑問だ。いずれ直面する課題を解決しない状況で運転を再開しているのは、今が良ければすべて良いという、極めて刹那(せつな)的な政策だ」と批判した。【鳥井真平】

地元、不安と歓迎
 関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)が原子力規制委員会の安全審査に正式に合格した24日、地元自治体や商工業者からは、安心や歓迎の声が聞かれたが、不安を口にする住民もいた。

 中塚寛・おおい町長は「世界でも厳しい水準とされる新規制基準で審査された。科学的、技術的な見地から基準に適合しているということで、一定の安心感がある」とほっとした表情。再稼働に必要な地元同意については「慎重に取り組みたい」と語った。

 おおい町商工会会長で土木建築会社経営の荒木和之さん(63)は審査合格を歓迎したうえで「4基動いていることが町の経済にとって普通の状態。2基だけではまだ全面的に喜べない」と話した。

 一方、大飯原発を巡っては、前規制委員長代理の島崎邦彦・東京大名誉教授が、基準地震動(想定される最大の揺れ)について「値が過小だ」と発言。4月の名古屋高裁金沢支部での3、4号機の運転差し止め訴訟の控訴審でも「(原発運転の)許可を出すべきではない」と話した。

 元おおい町議の猿橋巧さん(63)は「町では原発関連の仕事に就いている人が多く、再稼働しなければ雇用に響くとの声もあるが、安全が第一だ。(島崎氏の)証言をまじめに受け止めれば、国も関電も再稼働できないはずだ」と批判した。【高橋一隆】

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