知恵を絞れ!バリアフリー:空港・高速バス「高い壁」…低床化阻む荷室

バリアフリー:空港・高速バス「高い壁」…低床化阻む荷室 – 毎日新聞より
バリアフリー
空港・高速バス「高い壁」…低床化阻む荷室
毎日新聞2017年5月24日 13時20分(最終更新 5月24日 14時05分)

 空港や都市間を行き来する交通手段の一つ、空港・高速バスのバリアフリー化が進んでいない。国は2020年度末までに空港・高速バスなど約1万5000台の25%をバリアフリー化する目標を掲げているが、構造上の問題などから路線バスのようなノンステップの導入が難しいためだ。20年には東京五輪・パラリンピックを控えるが、昨年3月末時点で6%程度(895台)にとどまり、前年同期比でも0.3ポイントしか改善されていない。【曽田拓、山田麻未】

 「現実的に考えて、目標達成は困難」。国土交通省の担当者は苦渋の表情を浮かべる。現行制度は、一般の路線バスなどは高齢者や車椅子の利用者が使いやすいように、床の高さを地上から65センチ以下とすることなどを新車両の導入時に義務づけている。20年度までに対象車両の70%をバリアフリー化するとの目標があり、既にほぼ半数がノンステップバスになっている。

 一方で、スーツケースなど大きな荷物を積む床下のスペースが必要な空港・高速バスや山間地を走るコミュニティーバスは数値上の目標こそあるが、車両の構造上の問題で低床化が難しいとして義務化の対象外とされた。車椅子に乗ったまま乗降できるようリフトを備えたバスも開発されたものの、国交省が昨年末時点で把握している限り、空港バスでは京浜急行バス(東京都港区)や京成バス(千葉県市川市)など3社が実験的に運行している段階だ。

 昨年3月末から横浜市内と羽田空港の間で運行させている京急バスでは今年4月末までに延べ14人がリフト機能を利用した。グループ企業を含め、保有している空港・高速バス246台(今年3月末現在)のうち、バリアフリー対応は、この1台のみ。京成バスも保有する空港・高速バス162台のうち、バリアフリー対応しているのは、千葉市内と成田空港間で運行させているリフト付きバス1台だけで、運行開始の昨年8月16日から今年4月末までのリフト利用者は延べ2人だった。

 リフト付きバスが普及しない現状について、両社は「乗客の荷物を置くスペースが減少する」といった構造面やコスト面を指摘。さらに、「リフトの作動を行うために停留所に一定の歩道幅や高さが必要だが、これを充足していない停留所が多い」(京成バス)や「乗降に時間を要するため、定時出発が困難」(京急バス)との課題も挙げる。今後、導入車両を増やすかについては、両社とも「実証運行の検証を踏まえ検討する」という。

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