NPO法人「エコキャップ推進協会」が事業費の5割超を「身内」に横領

エコキャップ推進協、事業費の5割超を「身内」に還流:朝日新聞デジタルより
エコキャップ推進協、事業費の5割超を「身内」に還流
嶋田圭一郎、増田勇介2017年1月11日06時55分
 ペットボトルキャップのリサイクルを呼びかけているNPO法人「エコキャップ推進協会」(エコ推、横浜市)が2014年度(14年9月~15年8月)、キャップの売却益を主な原資とする事業費の5割超を、子会社を通じて理事長や一部理事らの給与に充てていたことが分かった。事業費の過半が「身内」に還流していたことになる。

 横浜市に提出された事業報告書によると、エコ推は14年度の事業費6139万円のうち、約7割に当たる4157万円を運営事務費などの「業務委託費」として計上し、大半を子会社「スタッフルーム」に支払っていた。

 同社の社長はエコ推の事務局長。社員には、エコ推の矢部信司理事長や矢部氏の家族、一部理事のほか、エコ推事務局のスタッフらが名を連ねる。

 業務委託費のうち3200万円が人件費。矢部理事長は、エコ推の役員報酬(月額20万円)に加え、スタッフルームの社員として毎月35万円の給与を受け取っていた。

 エコ推は、子どもへのワクチン寄贈や途上国の貧困救済支援、障害者の自立支援を定款に掲げるが、14年度は寄付金などの合計は事業費の約2割、1349万円だった。

 子会社への業務委託費は、12年11月に矢部理事長が就任する前の11年度は1486万円。13年度には3倍超の4715万円に達した。一方、寄付は、11年度の4800万円(寄付金と震災義援金の合計)から、3分の1以下になった。キャップ売却による収入が減った15年度は、業務委託費は2085万円、寄付は68万円とそれぞれ大きく落ち込んだ。

 業務委託費については、エコ推の監事が15年11月、「透明性の面から問題がある」と指摘していた。元理事の一人は「キャップを集めてくれている協力者には申し訳ない。エコ推の実態を知ってほしい」と話す。

 矢部理事長は、朝日新聞の取材に「エコ推の役員報酬は、エコ推の借入金返済に充てている。社員としての給与は、昨年2月以降、受け取っていない」と説明する。寄付金を減らした理由については、「環境啓発やリサイクル推進のための人件費が増えたため」、子会社の給与受け取りについては「理事会で承認を得た」と話した。ただ、15年11月の総会では「事実を把握していない」と批判する理事もいた。

 エコ推は15年春に、認定NPO法人「世界の子どもにワクチンを日本委員会」(JCV)への寄付を約1年半の間停止していた問題が発覚。以降、連合やJCVなどがエコ推との関係を断ち、JCVに直接寄付する流れが強まった。矢部理事長は「今は寄付するためのNPOではない」と主張し、リサイクル啓発活動をしている。(嶋田圭一郎、増田勇介)

     ◇

 《エコキャップ推進協会》 2007年設立。定款に子どもへのワクチン寄贈や途上国の貧困救済支援、障害者自立支援などを掲げる。連合の笹森清・元会長(故人)が理事長を務めた08~11年、ペットボトルキャップの売却益の一部を認定NPO法人「世界の子どもにワクチンを日本委員会」(JCV)に寄付する活動を推進。全国の学校、自治体、企業・労組、市民団体など約8万6千の個人・団体が約123億個を集め、ペットボトルキャップ回収を呼びかける団体としては最大だった。

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