障害者差別事例-佐賀市、身障者を解雇 採用方法に疑問の声

佐賀市、身障者を解雇 採用方法に疑問の声|佐賀新聞 電子版より 
佐賀市、身障者を解雇 採用方法に疑問の声
2014年07月12日 09時58分

 佐賀市が昨年の職員採用試験で、身体障害者の採用枠に応募した市内の男性(24)にいったん合格通知を出しながら、採用直前になって「能力を見極めたい」と非常勤で雇用、2カ月間の試用期間後に解雇していたことがわかった。男性の支援者らは「本人の能力は採用試験の段階で判断すべき。障害者雇用のモデルとなるべき行政が、社会参加の意欲を摘んでいる」と疑問を投げ掛けている。

 男性は中学生時代に脊髄を損傷、手足にまひがあり車いすを使っている。国立大学を卒業し、昨年、身体障害者を対象にした佐賀市の職員採用試験を受けた。

 12月に合格通知が届いたが、その後、市人事課から2、3月に計2回呼び出しを受け、面接でトイレの失敗がないか聞かれたり、机の上に並べられたバインダーやホチキスを使えるかを試されたりしたという。

 面接後、同課は「職務遂行の能力を判断したい」として、4月から2カ月間を試用期間として非常勤職員で採用。男性は配属先の課でファイルとじやパソコン入力などの事務作業に当たった。試用期間経過後、市は「総合的に判断し、業務遂行はできないと判断した。採用を見送らせてほしい」と、男性を解雇した。

 男性は「大学でもパソコン入力や資料作成などの作業は問題なかった。正式採用を前提とした措置だと思っていたのに…。また就職活動で1年間を棒に振ってしまう」と肩を落とす。

 身体障害者枠の採用試験は、健常者の一般事務Bと同一で筆記と面接があり、障害に特化した内容ではないという。市人事課は「実際に職務がこなせるか、採用試験の面接ではわからなかったため、試用期間という形を取った。周囲の職員からの聞き取りなどを踏まえ、本採用すべきかどうかを判断した」と説明する。

 障害者雇用促進法では、事業主の責務として、障害者である労働者が有する能力を正当に評価し、適当な雇用の場を与えることなど努力義務を規定している。

 障害者雇用に詳しい佐賀女子短期大学の前山由香里講師(健康福祉学)は「職務を遂行する能力は採用試験で把握すべき内容で、合格を決めた以上、市は本人の能力が発揮できるよう配属先を考慮し、さまざまな支援措置を講じる必要がある」と話す。

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